生物多様性と生物共存

2011年08月03日 | 生物共存農法
畝間の草取りをすると、小さな虫たちが、右往左往して逃げまどいます。一つの草に1種類以上の虫がいます。1mほど草取りを行うと、20種類ほどの草を確認でき、20種類以上の虫がいると考えられます。その虫を目当てに虫が集まります。微生物の種類を考えると想像もできません。
生物の多様性を垣間見る瞬間です。

農業のおいて、生物の多様性は、非常に難しい課題です。

栽培作物は、数種類に限定され、病害虫防除の目的で、草は、取り除かれ、虫、細菌、微生物は、駆除の対象でしかありません。

生物の多様性は、人のかかわりが増えるほど困難になるようです。

アスパラガスの圃場にカメムシがいます。天敵の少なく、防除の難しい害虫とされていまが、4~5齢のカメムシの幼虫が、ヨトウ虫の体液を吸っているのを目撃しました。ヨトウ虫は、干からびて、黒くなりアスパラガスにくっ付いています。害虫といわれているカメムシが、ヨトウ虫の天敵になっているのです。
天敵の菊月走り蜘蛛を天敵のぬまガエルが食べ、ヨトウ虫は、セイタカアワダチソウも食べています。
付け加えますと、ヨトウ虫は、土の中で蛹になり、蛹のキチン質を土に残し、孵化します。

アスパラガスを食べるヨトウ虫は、アスパラガスが好き、トマトを食べるヨトウ虫は、トマト好き、キュウリ好きや、キャベツ好きもいます。何でもつまみ食いは、しないようです。
ヨトウ虫の趣向性があることに気が付くまで4~5年かかりました。以前は、きゅうりからアスパラガスに移動したり、大豆から、イチゴに移動したりしていました。最近では、ヨトウ虫にトマト、アスパラガスを与えると、トマト好き、アスパラガス好きとに趣向性が分かれるのです。

虫の食物の趣向性は、体内共存細菌によって現れ、体内細菌は、成虫から幼虫えと垂直伝播してます。
食べる植物の微量毒素を分解したり、不足する微量要素の生成を行ったりします。産卵にも影響します。
虫に薬剤を散布したとき生き残る成虫がいます。生き残った成虫は、薬剤で生殖ホルモンが刺激され、異常産卵をします。生まれた幼虫には、体内細菌の垂直伝播はなく、食物の趣向性はなく、食物の異常摂取を行います。枯れたアスパラガスの枝、キュウリを吊る麻ひも、イヌほうずき、果てには、冬虫夏草になったヨトウ虫。
薬剤の間接的な影響も重大な問題のようです。

生態系、環境汚染、生物多様性は、単純なものでは、なさそうです。

土の養分を利用して、微生物が繁殖し、微生物と、土の養分を利用して、野菜が生育し、野菜と微生物で、虫を育み、虫を集める。野菜が枯れ、虫は死んで腐食し、土の養分になる。

生命を育める土壌で、人の健康を育める野菜を栽培するのが生物共存農法の考えです。







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