ひろむしの知りたがり日記

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古代エジプト美術館でスカラベ・サクレ発見!

2012年02月19日 | 日記
古代エジプトにおいてなぜ、フンコロガシとも呼ばれるこの厳ついコガネムシの仲間に、“聖なる甲虫”などというありがたい名前が冠されたかについて、『ファーブル昆虫記』などをもとに、もう少し触れておきましょう。

糞球を転がす姿が、太陽を運ぶ神に見立てられたことはすでに書きましたが、それ以外にもスカラベ・サクレの次のような習性が、エジプト人の目には神聖な行為と映ったのです。

アフリカの強烈な日ざしを身体いっぱいに浴びて、元気よく丸めた団子を転がしていたスカラベは、ある時期になるといったん土の中に潜って地上から姿を消します。そして、ナイル河の氾濫の後に、再び現れるのです。それを見て古代エジプト人は、この虫には1度死んでも、また生き返る力があると信じました。ですから彼らは石にその姿を彫って、ミイラの心臓の上に置いて死者の復活を願ったのです。あの有名なツタンカーメン王の胸飾りにも、なんと羽ならぬ翼を持ったスカラベが付いていました。

まことしやかに、次のようなストーリーも語られています。

スカラベは月の公転周期と考えられていた28日間、糞球を地下に埋めておきます。そして、太陽と月が出合う日とされる29日目─その日に世界が新しく生まれ変わるのだそうです─に球を掘り出して切り開き、ナイル河に投げ込みます。すると、球の中から新しいスカラベが生まれ出てくるというのです。

太陽神の化身にして、月の公転周期とも関わっているなど、文字通り宇宙スケールの壮大な伝説を持つスカラベ・サクレには、本当に興味が尽きません。
しかしいくらおもしろい虫だからと言って、なにも2回にわたって取り上げるほどのものではないだろうと思われる向きもいらっしゃるでしょう。

これには理由があります。

実は昨日、東京の渋谷区神南にある古代エジプト美術館に行って来ました。
ビルの1フロア(それも1部)を占めるだけの小さな美術館です。それにも関わらず入館料は大人1,500円とやや高めですが、全ての見学者にガイドが付いて丁寧に解説してくれるので、この人たちの人件費と思えば、まあ、納得はできます。

入館するとまず5分で大まかな古代エジプトの歴史がわかるVTRを見せられた後、ガイドさんが発掘小屋や神殿などをイメージした展示室を案内してくれます。その大部分が企画展示ですが、2月末までは“土器”がテーマです。広く交易を行なっていた古代エジプトらしく、いろいろな国の影響をしのばせる土器類が並べられ、特徴や使い方についてクイズを交えながら楽しく教えてくれます。
なぜか同じ土器というだけで、日本の縄文土器や弥生土器まであるのにはちょっと驚きましたが・・・。

一番奥の部屋は古代人の墓という設定になっていて、ここだけは見学者のみで入ります。玄室を模した暗い室内で、人型木棺や木棺の板に描かれた「死者の書」の1シーン、仮面を被ったミイラの頭部などを手に持ったライトで照らしながら見て回るのは、ちょっぴりドキドキします。

全部で4部屋ほどしかないので、1時間もあれば余裕で見学を終えることができます。最後に美術館の出入口脇にあるこぢんまりとしたミュージアムショップをのぞいた時・・・、見つけてしまったのです!

それは、恋してやまない(?)スカラベ・サクレを象ったチャームでした。



ほかにもスフィンクスや女神イシスなど数種類のチャームがありました。値段は1個300円。
ぼくはスカラベのほかに2つ購入しました。それが上の写真です。
中央がスカラベ、その右隣が新王国時代第18王朝(紀元前1500年~1300年頃)の王アクエンアテンの妻で、美女として名高いネフェルティティ、左端が全てを見通すとされるホルス(ウジャト)の目です。

スカラベのチャームは長さ17ミリ、幅12ミリほどのミニチュア・サイズです。
腹側には下の写真のように、なにやら象形文字が刻まれていますが、残念ながらヒエログリフの知識がないので意味は全くわかりません。でもいつか、調べてみたいと思います。



なかなか凝った造りになってはいますが、ただのおみやげ品ですから聖なる甲虫の神秘的な力は宿っていそうにありません。でも、ストラップとして携帯にでも付けておけば、いつかアルマスやエジプト行きを実現したいという願いを、忘れてしまわないための助けぐらいにはなるでしょう^^


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