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お仕事どんぶり

正社員、契約社員、派遣社員、嘱託社員、アルバイト・・・
経験してきた「仕事」と日々の生活についての記録です。

不動産物件 受付・案内の仕事64(バスで・・・ 世田谷区編)

2005年11月15日 09時31分40秒 | 仕事あれこれ
その日は快晴で、気温が高く、周りには高い建物もないので
私はわずかな日陰を求めながら更地の周りを移動した。

久しぶりに喉の渇きを覚え,持っていたペットボトルの飲み物は
すぐになくなった。ここの現場にはきっと不動産屋の営業マンは
来ないだろう。人通りもなく、車も通らず、街は眠ったように
静かだった。

1時間に1組ぐらい、近所の方が通り過ぎるが、土地の値段には
興味を示さない。私は退屈になり、持っていた時代小説の文庫本を
立ち読みしようかと思ったが、住宅街の真ん中ではその姿も
結構不審な感じに見えるので、それは止めた。携帯電話のゲームを
やってみたりもしたが、あまり上手にできない上に、どんどん電池が
なくなりそうなので、それもあきらめた。

とにかく、いろいろなことを考えて過ごす。
これからの仕事のことや、家族のこと、読みたい本のこと、
見たいDVDのリスト・・・。買いたいものはあまり多くは
思い浮かばない。アウトプットができない状態で、ぐるぐる
物事を考えていると、頭の中が熱くなってくる。

家族や知人に近況報告のメールを打って見たが、そんなにたくさん
数があるわけではなかった。

バスの中ではぼんやりできたのに、時間が有り余るほどあると
逆にぼんやりできなくなってしまうのはなぜだろう。
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不動産物件 受付・案内の仕事63(バスで・・・ 世田谷区編)

2005年11月14日 09時49分58秒 | 仕事あれこれ
3連休の最終日は、世田谷区代田の更地の担当だった。
電車で行くのは少し遠回りになるので、バスで行った。

休日の朝なら、バスも都内をすいすい進む。そして、
お客さんがあまり乗ってこない。私は、運転手さんの
すぐ後ろの席に乗り、車外の景色を眺めるのが好きなので、
そこを陣取り、ぼんやりしていた。

私の行く先は、バスの操車場(終点)だ。
私の他には乗客はいない。バスは、操車場に入ると、私を
降ろさぬままに待機所に向かう。
私が運転手さんに「降ります」と声をかけたら、運転手さんは
「わぁぁぁ、すいません。気が付きませんでした!」と慌て、
私を降ろした。
・・・気配を消しているつもりはなかったのだが。

バスを降り、現場の更地には徒歩で10分ぐらいだ。
迷わずに行けてちょっと嬉しい。

現場は大きめの住宅が建ち並ぶ中の、3棟売りの更地だった。
角地の一番良いところはもう売却済みで、残りは30坪で
7000万円台。昨日、1億4000万円の値段を見た私は
別にどうとも思わない。

道路は広いが車はほとんど通らない。本当に静かな環境の中、
草ぼうぼうの更地の前で、私はお客さんを待った。
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不動産物件 受付・案内の仕事62(お犬様 世田谷区編)

2005年11月13日 19時03分00秒 | 仕事あれこれ
近くの大きな公園で昼食を食べた後、再び更地の前でお客さんを
待っていると、「MoMA」のショッピングバッグをいくつも持った
男性が近づいてきて、「1億から2億くらいで土地を探しているから
良い物件があったら電話してよ」と名刺をくれた。

私は驚きを隠せないまま、名刺を受け取り、事務所に一応電話した。
不動産屋の担当者は、慣れた感じで帰りにその名刺を届けるように
言った。

この仕事をし始めて、お金はあるところにはある、ということを
感じたが、実際には私は物件が契約にこぎつけた場面にであった
ことがない。

そもそも、売れない物件を中心に「派遣さん」は配置されるのだから
「契約成立!おめでとう!」のチャンスにめぐり合うことはきっと
この先もないだろう。

私は、仕事でなければ行くことのない「街」を訪れ、その街に
住む人の日常を垣間見るということ自体に楽しみを感じることに
した。

結局、その日の夕方に営業マンが少し顔を見せただけで、更地への
お客さんの来訪は不調に終わった。
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不動産物件 受付・案内の仕事61(お犬様 世田谷区編)

2005年11月12日 10時31分06秒 | 仕事あれこれ
その日、秋晴れと言うには日差しが強すぎて、気温もかなり
高かった。更地には初めてパラソルが用意してあった。
パラソルのベースには水を入れて重りにするが、その水を
調達するには、遠く離れた公園に水を汲みに行かなければ
ならず、それができない私には、パラソルは結局、無用の
長物となった。

更地の前の道を、犬の散歩をするたくさん通った。
私は犬のことはよくわからないが、きちんと手入れのされた
高級そうな犬が多かった。

その街には、そこかしこに「お犬様専用」の店があり、おしゃれな
犬の服や小物を売っていた。よくよく値札を見ると、私の服より
高いものもあってちょっとびっくりだ。(笑)

サッチー様がいなくなってからは、客足はぱたりと止んだが、
興味本位に土地の価格を聞いてくる人はちらほらいた。

近所に住んでいるらしいおじいさんは、土地の価格を聞いて、
「本当にその金額を出して、土地を買う人がいるのかね?」と
不審がったが、お金はあるところにはあるのだろう。

時給1300円で、1日8時間、更地の前で受付をしている
私の給料なんて、売れたら充分ペイできるものなのだろう。

近くのオープンカフェで、ブランチを楽しんでいるカップルを
横目で見ながら、私はひたすらお客さんを待ち続けた。
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不動産物件 受付・案内の仕事60(お犬様 世田谷区編)

2005年11月11日 10時34分41秒 | 仕事あれこれ
いまいち縁起の悪い物件を担当した翌日に、私は景気の良い
物件に遭遇した。

池尻大橋から少し歩いた更地の物件の価格は、きれいな長方形の
角地の40坪で1億4000万円。私が担当した物件の中で、
最高価格を更新だ。

事務所を出発して、現地に到着したら、すでに年配の女性の
お客さんが待ち構えていた。顔がすっぽり隠れそうなサンバイザーを
被り、カジュアルな格好をしているが、身につけている装飾品は
ごつくてギラギラしている。野村サッチーを痩せぎすにした感じだ。

サッチー様は私を見つけ「どこの人?」と不動産会社の名前を
聞いてきた。私が慌てて答えると、日頃つきあいのあるらしい営業マンの
名前を挙げ、この物件のことを自分の耳に入れなかったことについて、
クレームをつけた。

サッチー様は、携帯電話で他の不動産屋に電話し、これ見よがしに
大きな声で物件の価格交渉を始めた。仲介物件だから、不動産屋の手数料
次第で少しは安くなる余地があるのだろうか?

私は事務所に電話して、お客さんの状況を話したところ、サッチー様
担当の営業マンは、すぐには現場にいけないという。
ほんのちょっとの差で、チャンスをふいにする可能性だってある訳だ。

私は「億」を超える物件を、買うつもりの人が本当にいるのだという
ことに驚きを隠せないまま、サッチー様が現場を後にするのを見送った。
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