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お仕事どんぶり

正社員、契約社員、派遣社員、嘱託社員、アルバイト・・・
経験してきた「仕事」と日々の生活についての記録です。

不動産物件 受付・案内の仕事68(シザーハンズ大田区編)

2005年11月20日 18時38分46秒 | 仕事あれこれ
相変わらず物件の近所の熱帯魚ショップは大繁盛だった。
物件の前に駐車をするお客さんが続出だ。

さっきの激しい営業マンは、再び営業車に乗ってどこかに
行き、私はお客さんを待ち続けた。

お昼になって、私は近所の寂れた感じの児童公園で、お弁当を
食べつつ、新聞を読んでいた。休日の昼食時に、児童公園には
誰も居ない。私はその静かな感じが好きで、妙に落ち着く。

私が新聞を読みふけっていると、一人の中年男性が何かぶつぶつ
言いながら、私の方へ近づいてきた。彼の手には剪定ばさみが
握られている。その刃は私の方に向いていた。

変な話だが、私の頭の中には、一瞬のうちに、これから起こるかも
しれない数々の「不幸なシーン」が何場面も浮かんだ。

・・・35才女性、アルバイトの休憩中、児童公園で刺される。
・・・閑静な住宅街で白昼の悲劇。持っていた防犯ベル、役に立たず。

私とシザーハンズ氏の目が合った。彼は私が座っているベンチの
隣に座った。

ここは公園、憩いの広場。相手が話しかけて来るまで黙っていよう。
シザーハンズ氏は、公園の植木を手入れする心優しき人かも
しれない。彼が口を開くまでにわずかな時間が、私にはとてつも
なく長く感じられた。

「おネエさん、・・・大丈夫?」
私は意味がわからずに、シザーハンズ氏の顔を見つめた。
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不動産物件 受付・案内の仕事67(シザーハンズ大田区編)

2005年11月19日 16時27分28秒 | 仕事あれこれ
9月の中旬に一回担当した大田区の新築物件に、再び私は
向かった。この前は、紅白幕で飾られていたが、今回は
小さな万国旗でベランダが飾られて、これまた安っぽい
印象だった。

今日は少しでもお客さんが来るといいな、と思っていると
30代前半くらいの男性が小さなお子さんを2人連れて
やって来た。男性の手には折り込みチラシがあり、私は
お客さんだと思って、携帯電話で営業マンに連絡しようと
したら、「パパ」と呼ばれているその男性は「あ、見る
だけですから営業マンは呼ばないで良いですよ」とにっこり
笑って、ずんずんと家の中に入っていった。

私があっけにとられていると、子どもたちも慣れた様子で
家の中を走り回り、「トイレが二つある!」「お風呂が
大きい」と勝手に盛り上がっている。パパさんはひとしきり
物件を堪能すると、「じゃ、次のお家に行こうか」とお子さんを
促して出ていった。

ご一行様は休日に物件周りをして楽しんでいるらしい。

その様子は車でやって来た不動産屋の営業マンにばっちり
見られた。「買う気のない奴に物件を見せるな」と怒られ、
お客さんが来たら、単なる冷やかしか本気かを見極めて、
冷やかしの場合は入り口で追い返すように言われた。
今までで一番激しい営業マンだ。

私は、この先が思いやられるなと少し滅入った。
それは、「イケてない1日」のプロローグだったのだ。
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仕事が忙しくなってきた

2005年11月18日 09時32分24秒 | 仕事あれこれ
平日2、3日は非常勤の「メインの仕事」をしつつ、土日は
不動産屋の受付の仕事をする、という生活のリズムに慣れ
はじめた頃、「メインの仕事」がどんどん忙しくなってきた。

それは夏過ぎには予想できたことだったのだが、私の「非常勤」と
いうある意味で「優雅な」勤務形態についてエンジョイしており、
一方で、勤め先は私を「常勤」にするべく方法を模索し始めていた。

上司は、私を雇うお金をどこからか捻出しようと画策している。
今一緒に働いている人をそのまま雇いつつ、新たなコストとして
私の人件費を計上するのは結構大変そうだった。

私は今のまま「非常勤」で働くのならそれでも良いし、もし常勤に
なるのだったら、派遣会社で職探しをしなくて済むなぁと気楽に
考えていた。

多分、上司は私を雇うお金を担保できない。
もし、担保できたら、それは本気で忙しくなることの証だ。

私はどっちに転ぶだろうと少し様子を見ることにした。
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不動産物件 受付・案内の仕事66(うらめしや2大田区編)

2005年11月17日 09時35分18秒 | 仕事あれこれ
9月最後の三連休の日、私はまた不動産屋の仕事をしようと
考えていたが、先方の都合で仕事は1日だけだった。

その9月最終週の日曜日、私は再びあの「告知物件」の担当に
なった。

現場に行ってみると、この前感じた違和感はもうなく、そこには
「白くてきれいな家」が建っているだけだった。
そして、相変わらずお客さんは来ない。

しばらく待っていると、カメラマンがやって来て物件の写真を
撮るという。チラシに載せる写真を少し別の角度から撮るのだ
そうだ。

カメラマンは「変わり映えがしないな」とつぶやきながら、
低めのアングルで撮ったり、レンズを交換して何カットか撮った。
この物件の写真を載せたチラシはわが家にも入るので、今度の
チラシの新しいカットがどうなっているか楽しみだ。

週末毎に折り込みチラシを配って、ペイするのだろうか?

そして、その日は、お客さんも不動産屋の営業マンも来ないで
静かな1日が終わった。うーん、不調である。
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不動産物件 受付・案内の仕事65(バスで・・・ 世田谷区編)

2005年11月16日 09時52分03秒 | 仕事あれこれ
現場の近くにはコンビニも、公園もなく、私は久しぶりに
幹線道路沿いのファミリーレストランタイプのステーキ屋で
優雅な(?)昼食を楽しむことにした。

ステーキ、と呼ぶには薄すぎる牛肉「ビーフステーキ焼肉
ソースランチ」を食べながら、休日の昼食を楽しむ人たちを
横目で眺めつつ新聞を読む。
 ※11月16日付の新聞で、その肉は「ステーキ」では
  なく「内臓肉」や「脂肪」を寄せ集めた「成形肉」だった
  ことを知った。見事だまされました・・・。

その日、結局お客さんは現れず、私は静かな住宅街で、蚊に
刺されながら時を過ごした。夕方には日が落ちて辺りは
すっかり暗くなった。街灯の灯りも心許なく、私は少し
寂しい気持ちになった。

帰りは再びバスに乗り、駅まで向かう。
日中ほとんど口をきかなかったな、と思うと、普段「メインの
仕事」でがちゃがちゃ喋っている自分の姿が、なにか違う人の
ようにも感じられるのだった。

事務所では、ここ3日間の顧客カードの集まり具合が悪いことに
ついて、嫌みを言われたが、お客さんが来ないのでは集めようが
ないではないか。

不動産屋によると、公表した途端に売れる物件もあるという。
物件の魅力、というものが私にはよくわからなくなってきた。

それでも、私はこの仕事をしばらく続けるつもりだった。
「人と話さない」ということが、時々すごく自分の気持ちを
落ち着ける作用があると思う時があったからだ。
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