私は今の勤務先で初めて「労組」というものに
関わった。
何度も転職したうち、正社員として勤めたなかでは
労組のある職場はここだけだ。
職場の人に誘われて軽い気持ちで引き受けたが、
まぁ予想もしなかった「事件」がいくつも起こり、
正直言って貧乏くじを引いたか?と思ったことも
あったが、何事も経験である。
春闘、というものも初めて経験した。
会社側との交渉は、厳しい経営環境の中、難航した。
おまけに「帰休」も実施しているのである。
従業員の中にはベースアップは無理、もしかしたら
定期昇給も凍結か?というムードもあった。
雇用を守れ、という政労使それぞれの言い分は
わかる。自動車、電機メーカーはごく一部を除いて
ぼろぼろだ。
ただ、うちの会社はこの状況でも一応「黒字」なので
ある。あまり卑屈になることなく、また帰休もするの
だから生活の足しになるようなボーナスはもらえる
だけもらおうと、労組は相当粘った。
会社側との交渉は深夜に及び、私は久しぶりに
終電を逃した。
で、結局去年並みのボーナスは支給されることになった。
ただしベースアップはなし、定期昇給は実施。
今の世の中、十分でしょう。
翌日組合員に配布した「結果速報」を見て、多くの
人が「おおっ」と喜んだ。会社が恐れていたのは、
帰休、ベースアップなし、で従業員のやる気がそがれる
こと。それを避けるため、せめてボーナスで報います、と
いう姿勢だった。
はっきり言って来年は相当厳しいことになるだろう。
それは皆予想していると思う。
翌日、打ち合わせがあって工場に行ったら、面識のない
組合員さんが何人も、作業の手を止めて、「団交お疲れ様
でした!」と私に挨拶した。
私はびっくりしてしまい、思わず「ベースアップとれずに
申し訳ありません」と言うと、「この状況で前年並みなら
御の字です」と言われ少し安心した。
私はもう、自分の顔が工場でも売れ始めているんだな、と
思い、ちょっと怖いような気もした。
育児短時間勤務の期間も延長が叶い、この件は育児中の
女性社員に喜んでもらえた。この制度の恩恵にあずかって
いる社員は、もともと女性社員が少ないこともあって
ごくわずかなのだが、他のメーカーとの差を縮めておかないと
ますます女性社員に来てもらえない。
仕事とは別の目でいろいろ考えることがあり、私は疲労困憊
したが、打ち上げで飲んだビールは美味しかったので良かった
と思う。
関わった。
何度も転職したうち、正社員として勤めたなかでは
労組のある職場はここだけだ。
職場の人に誘われて軽い気持ちで引き受けたが、
まぁ予想もしなかった「事件」がいくつも起こり、
正直言って貧乏くじを引いたか?と思ったことも
あったが、何事も経験である。
春闘、というものも初めて経験した。
会社側との交渉は、厳しい経営環境の中、難航した。
おまけに「帰休」も実施しているのである。
従業員の中にはベースアップは無理、もしかしたら
定期昇給も凍結か?というムードもあった。
雇用を守れ、という政労使それぞれの言い分は
わかる。自動車、電機メーカーはごく一部を除いて
ぼろぼろだ。
ただ、うちの会社はこの状況でも一応「黒字」なので
ある。あまり卑屈になることなく、また帰休もするの
だから生活の足しになるようなボーナスはもらえる
だけもらおうと、労組は相当粘った。
会社側との交渉は深夜に及び、私は久しぶりに
終電を逃した。
で、結局去年並みのボーナスは支給されることになった。
ただしベースアップはなし、定期昇給は実施。
今の世の中、十分でしょう。
翌日組合員に配布した「結果速報」を見て、多くの
人が「おおっ」と喜んだ。会社が恐れていたのは、
帰休、ベースアップなし、で従業員のやる気がそがれる
こと。それを避けるため、せめてボーナスで報います、と
いう姿勢だった。
はっきり言って来年は相当厳しいことになるだろう。
それは皆予想していると思う。
翌日、打ち合わせがあって工場に行ったら、面識のない
組合員さんが何人も、作業の手を止めて、「団交お疲れ様
でした!」と私に挨拶した。
私はびっくりしてしまい、思わず「ベースアップとれずに
申し訳ありません」と言うと、「この状況で前年並みなら
御の字です」と言われ少し安心した。
私はもう、自分の顔が工場でも売れ始めているんだな、と
思い、ちょっと怖いような気もした。
育児短時間勤務の期間も延長が叶い、この件は育児中の
女性社員に喜んでもらえた。この制度の恩恵にあずかって
いる社員は、もともと女性社員が少ないこともあって
ごくわずかなのだが、他のメーカーとの差を縮めておかないと
ますます女性社員に来てもらえない。
仕事とは別の目でいろいろ考えることがあり、私は疲労困憊
したが、打ち上げで飲んだビールは美味しかったので良かった
と思う。