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お仕事どんぶり

正社員、契約社員、派遣社員、嘱託社員、アルバイト・・・
経験してきた「仕事」と日々の生活についての記録です。

ゲキジョー型転職 その10 一次面接終了

2007年08月17日 08時36分24秒 | 転職活動
「福耳部長」のストレートな物言いに、私はもし入社できたら、
自分自身がこの人とうまくやって行けるかどうか考えた。

生理的にどうしてもだめな人ならともかく、目の前にいる中年の
男性と私は仕事をして行く他ないのだ。私は自分が今まで出会った
「面倒くさい上司」の栄えあるトップ3までを思い浮かべ、そこの
なかに「福耳部長」がランクインしないことを願った。

そして今の私に、気に入られる要素があるのかな、とも思った。
たった小一時間の面接で、そんなことがわかるだろうか。

その後、「福耳部長」は個人的なことに関する質問をいくつかした。
また、人事担当の男性は、私が転職を繰り返していることの理由を
尋ね、私は転職のセオリー通りに「キャリアアップのため」と答えた。
でも本当は興味の対象が少しずつ動き、その都度、職場を変えてきた
だけのことである。

2年前の夏、私は嘱託で仕事をする傍ら、不動産会社でオープンハウスの
受付のバイトを時給1,300円でやっていた。
1年前の夏、私は外資系PR会社に正社員として採用された。
そして今年、私はまた転職活動をしている。

私は次々と放浪している。私は「まとも」じゃないよな、と思いつつ
面接も終盤に差し掛かった。

面接の時間をとってもらったことにお礼を言って、席を立とうとした時、
「福耳部長」は静かな声で言った。

「もう転職でのキャリアアップの旅はやめて、ここの会社の中で先に
 進んだらどうですか。ここに落ち着くことを考えたら良いと思いますよ」

そう言う風になったらどんなに良いだろう。
私は「そうできれば本当に嬉しいです」と答え、部屋を出た。
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ゲキジョー型転職 その9 採用方針

2007年08月16日 09時31分48秒 | 転職活動
面接官である「福耳部長」と人事担当の社員が私に繰り返し質問
したのは
「何故、産業機器メーカーという『地味な』業界を選んだか?」
「このニッチで『地味な』会社のどこに興味を持ったか?」
「男性がほとんどの『地味な』会社でやって行けそうか?」
というものだった。

「地味」ということを繰り返し聞かされて、私は自分がとにかく
じっくり長く仕事をしたいということ、そして自分の興味の範囲が
「省エネ」や「新エネ」であることを伝えた。

私は逆に、こういう「地味な」会社の広報というもののあり方と、
今後の展開方針について質問した。

「福耳部長」によると、今までは顧客もある程度固定しており、
「製品力」で売れていたので、特に広報や宣伝の必要はないと思って
いたが、やはり会社が伸びて行くためには「省エネ」や「新エネ」の
分野で製品の優位性をPRし、BRICsにも販売を拡大して行かなくては
ならないと思っているという。

「そのためには法律に触れないことなら何でもやります」

妙にアグレッシブな「福耳部長」の様子に私は少したじろいだ。
そして、自分がこの会社にいられるのはあと5年、長くても10年くらい
だから、その間に後進を育てなくてはならないので、採用活動をして
いると言った。

5年、10年か・・・。

そういうスパンで自分の職業に関することを考えたことって久しく
なかったなと、私は思った。
そして、採用基準を尋ねると、「福耳部長」はきっぱりとこう言った。

「私とうまくやって行けるかどうかです」
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ゲキジョー型転職 その8 福耳部長

2007年08月15日 09時28分03秒 | 転職活動
何故、自分の頭のなかにそんな考えが浮かんだのか、私には
さっぱりわからなかったが、私は不思議なくらい落ち着いて
面接に臨むことができた。

そして、自分の胸の中に、ざわざわとした期待感が満ちてきて、
この「福耳部長」のもとでバタバタと仕事をしている将来の
自分の姿が、脳裏に断片的に浮かんだ。

私はまだ面接が始まって5分も経っていないのに、と自分の
妄想癖に内心苦笑しながら、履歴書と職務経歴書に基づいて
今までの仕事内容を説明した。

資料として持って行った自分が製作統括したパンフレットや、
展示企画に関わった博物館の竣工写真集等を見せると「福耳
部長」は身を乗り出すようにして資料を目にしていた。

私は自分の経歴について、この会社がどれほど興味を持って
くれるだろうか、という一抹の不安を払拭できない部分も
あったが、少なくともこの前日に、人材紹介会社が言っていた
「反応が薄い」という感じはなかったので安心した。

一通り説明が終わって、「福耳部長」は改めて眼鏡をかけ
直して、私の履歴書と職務経歴書に目を通しながら、よく
通る声で言った。

「まずは僕の感想から言いますね。・・・いろいろな人材紹介
会社にお願いしていたのですが、やっと『まともな人』が来て
くれた、という印象ですね」

おぉ、好印象・・・。これには正直嬉しかった。
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ゲキジョー型転職 その7 一次面接にて

2007年08月14日 09時31分09秒 | 転職活動
一次面接の当日、私は午後半休をとって面接に臨んだ。

面接は夕方遅くからだったので、普段どおり仕事をして時間近くに
なったら会社を抜けようと思えば抜けられないこともなかったが、
いつ何時クライアントからのややこしいオーダーが入るかわからない
ので、安全のために貴重な有給休暇を使ったのだ。

面接先の企業は、前職の職場のすぐ近くにあり、私は土地勘もあって、
すぐにその会社が入っているビルを見つけ、受付で総務の担当者を呼び
出して、狭い打ち合わせスペースで待たせてもらった。

他の候補者の面接が長引いているため、約束の時間から25分以上待た
されて、私はやっと面接会場である会議室に通された。

そこには人事担当と思われる中堅の男性社員と、広報担当の執行役員と
思しき男性が待っていた。

私は挨拶して自分の名前を名乗り、その執行役員と目が合って、次に
その人のものすごい「福耳」に目がいった。

そして、次の瞬間、なんの根拠もなく私はこう思った。
「私はこの会社に採用されるな」と。
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ゲキジョー的転職 その6 一次面接の前日

2007年08月13日 09時38分58秒 | 転職活動
今回の企業を紹介してくれた人材紹介会社のサービスに、面接
前日に、電話で面接の心得や今までの様子、具体的な質問項目を
アドバイスしてくれる、というものがある。

人材紹介会社は、その企業の他部署に何人も候補者を送り込んで
いて、その面接の際の様子を候補者からフィードバックしてもらい、
次の候補者のために情報提供しているのだった。

就業時間が過ぎて、携帯にかかってきた電話は、その企業への
営業担当者の男性で、その声はなんとも済まなそうな声だった。

「実はアドバイスできることがほとんどありませんで・・・」

私がいぶかしく思っていると、その企業の面接は非常に当たり障り
のないもので、候補者に対する反応がものすごく薄いのだという。
候補者は、自分が興味を持ってもらえなかったのか、と面接後に
かなり落ち込む人もいるようだが、実際はそうでもなく、採用に
至る人もいるという。

私はつかみ所のない面接は嫌だなあ、と思って妙なアドバイスを
聞いてしまった、とちょっと後悔した。
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