3D CG, CAD/CAM/3Dプリンタ な日常でつづる クルスの冒険ブログ

このブログは引っ越しました!引っ越し先は…「とある思索の集合演算」と検索してみてください。よろしくお願いします。

トヨタのアクセル部品は、他のメーカーには採用されていないのか?

2010年02月21日 | □今日は休日
NHKは、また良い番組を作った。
 
『追跡!A to Z「トヨタで何が起きているのか」』

「結露などが生じた場合凍結し、アクセルペダルが戻らなくなることがある(と危惧される)」
 
確かにクルマのアクセルが戻らなくなったら大変なことだ。
  
番組では、問題になっている米国製部品と、国内で採用されている部品を分解し、
二つの設計思想は違っていて、実際にその機構は明らかに異なることを丁寧に示していた。
  
これで分かるのは、
「トヨタは国内のトヨタスタンダード(基準)を、海外でも頑なに採用させているわけではない」
ということだ。少なくともアクセルペダルについては。
国内基準を海外部品メーカーにも採用させているのであれば、このような違いは生じない。
同じ機構を採用させて現地メーカーに生産させるか、国内生産の部品を採用するか、だ。
 
トヨタは、現地メーカーから、同じ機能を実現できるのであれば異なる機構であっても構わない、
という判断をして、この部品を採用したのだろう。
 
その方が安く、その方が早いから。
また、部品の現地調達はその土地に受け入れられるためにもトヨタにとっては重要な
問題になっていたことだろう。
 
そして、その納入メーカーというのは、過去にも他の米国自動車メーカーに同様の部品を
納入して来た実績があるにちがいない。
 
トヨタに納入するために、わざわざトヨタ基準とは異なる機構を採用し、
新たにアクセルペダルの設計を起こした… のか?
 
そんなことがあるはずがない。過去の設計を流用しているはずだ。
  
これで、なんとなく分かった。

米国メディアや一部の政治家が問題視しているのは、
 
「本件において、情報の開示等の対応に遅れはなかったか?」
 
である。それがどうした?いや、これは政治だ、ということが分かった。
 
「これは本当に危険か?どの程度危険か?どこまでの範囲が危険か?」
 
は、なぜかあまり語られていないようなのだ。飽くまで問題は、「対応が遅かったのではないか?」 である。
 
リコールは一義的に、そこに想定される(危惧される)危険に対して行われるものだ。

対応の遅れについては、また別の問題だろう。
  
モノづくりにお詳しい、または関心の高い皆さんには、もうお分かりだろう。
 
「絶対に他メーカーにもほとんど同じ機構の部品が採用されているはずで、結露が生じることや
それが凍結することの危惧などの程度において、トヨタに採用された部品と大きな違いがあるはずがない」

(結露の生じ易さや、凍結し易さを犠牲にしてコストダウンをさせていない限りにおいて)
 
ワタシも、そう思う。
 
つまり、

「その問題のアクセル部品は、他の自動車メーカーには採用されていないのか?」
  
これこそが、最も重要で、本来米国の政治家が最も反応すべき事である。
 
彼らが言うように、消費者の安全を最優先する、のであれば。
 
米国の政治やロビー活動、訴訟事情のために、行われる多くのこと。
チャイナの巨大な市場とその将来性と引き換えに、目をつむる多くのこと。
 
時代は、どんどん野蛮になって来ているように感じるのは、ワタシだけではないと思う。
 
我々にとっての、米国とチャイナに共通していること。
 
それは、モノを買ってくれるお客様である、ということだ。
 
このまま人類は、カネ以上の価値を喪失し続けるのだろうか?
 

最新の画像もっと見る