時々涼しい日があると、とても助かるこの季節…
残暑の頃、皆さま如何お過ごしでしょうか?
今日はね、アフィリエイトを上に持って来た。この本は二回目だけれども。
そして、今日は完全に読者限定で書きますね。
CAD/CAM/CAE、PLM、NC工作機械、RP機器、3Dスキャナ…
いわゆる「設計・製造ソリューション展」に出展するような企業にお勤めの皆さま限定だ。日本の会社もガイシケーも共通ね。
デジタル匠の誕生~「ものづくり日本」を再生せよ~岸 宣仁小学館このアイテムの詳細を見る |
なぜこの本をしつこく紹介するか?というとですね…アフィリエイトで儲けるとかそんなんじゃなくて、
(こんなマイナーな内容のブログで、そもそも儲かるもんかぃ)
「みんな!買って読んでくれよぉ!」
と、思う本だからだ。
どうしてそう思うのか?というと…
<以下、同書籍からの引用>
日本のモノづくりは欧米製CADソフトに首根っこを押さえられている
輸出入のアンバランスが100倍にも達する日本のソフト開発だが、匠のデジタル化にとって最も機軸になるCADソフトは、さらに目を覆うばかりの惨状を呈している。
この分野のソフトは、先述の仏ダッソー・システムズと米ユニグラフィックス・ソリューションズ(UGS)の2社が世界市場を押さえてほぼ寡占状態にある。前者は世界的な軍事関連企業であるダッソー、後者のUGSもマクドネル・ダグラスを母体にしており、もともと軍需産業としての色彩が濃いソフトウェア会社である。
日本の自動車産業もこれら2社のどちらかのソフトを採用してクルマづくりを進めているが、ITパワーはわれわれの想像を超えてはるかにすさまじい。
<引用終わり>
気付かない人は、全く気付かない。
でも、反応する人は、ピンとくるんじゃないだろうか?
…この本、書店に普通に置いてあるハードカバーっすよ。
出版社も小学館… メジャーだ。
そこに、だ、
“先述の仏ダッソー・システムズと米ユニグラフィックス・ソリューションズ(UGS)の2社が世界市場を押さえてほぼ寡占状態にある。”
とか、3次元CADの記述が普通に、そして豊富にされてるんだよ。
これって、スゴくないか?(スゴいと思わない人は、もういいよ)
考えてもみてほしい。3D CAD/CAMを本当に仕事として売って、それを専門としている人たち(ユーザじゃないよ)って…多分我が国に3万人も居ないはずだ。数千~1万人…まぁ、そんなものだろう。就業人口として、それだけだ。
たった!!!たったそれだけしか就業人口が居ない職業がどれだけマイナーでニッチなものか、考えたことがあるだろうか?
こんなにマイナーで、ニッチな仕事なのに、この本では
我が国の製造業の今後を考える上で重要な要素だ、として実に真面目に記述してくれている。
で。
CADとかCAMとかを本当に生業としている皆さんからしてみたら、
「これ、古い話」 とか
「あー、この人知ってるよ」 とか
「…そんな訳ないよ、本当はねー…○×○×…」 とか、
いっくらでもツッコミ所はあるだろう(あぁ、そりゃあるだろうさ)。
だけどね、本ってそういうモンだ。
この著者は、CAD/CAMを生業にしているわけじゃない。
でも、この本を書くための調査はとてもとても真摯なもので、正確だと思う。
ついこの前、とある銀行系シンクタンク的なお仕事のヒトと話した。
そのヒトは、製造業について色々と支援もしており、かなりの数にのぼる製造現場を歩いているのは間違いなかった。
そのヒトが言ったのだ。
「3次元とモノづくり企業の関係に、実感がわかない」
ホントにホントにそう言った!!!
もぅね、嫌になった。ちょっと涙が出そうになった。
この人、一体何を見てんだよ! ちゃんと見て来いよ!
とも、思った。
そして、またしても反省した。
その人が、あまりに観察眼に欠ける… とも言える。だけど…
世間様に語る言葉を、我々はあまりに持っていない…
こっちの方が、より深刻だ。
私たちが見てきた、今見ている、知っている、そして何より実際にできることを…
それらを、世間様に対して語る言葉を、私たちは持っていないんだ。
こんなんで、株価が上がるワケがねぇよ。
そう、思ったね(あー別にワタシのとこは上場してないけどさ)。
もぅね、3次元のツール(まぁ、CADとかCAMとかだ)を学ぶ時には、オペレーション(ソフトの操作)なんかと同じくらいの重要度で、
「このソフトウェアの本質・存在意義」
ってものを知らしめるべきなんだ。
ただ、あまりにそのための本や媒体が無さ過ぎる…
絶望的に、ない。
説明できる人も居ないだろう。試しに3D CAD/CAMのメーカーさんに聞いてみるといい。
「ところで、3Dってどうして必要なんですか?」
って。そこらへんの説明能力は呆れるほど落ちているはずだ(やってねぇからさ)。
そんな中にあって、この本の存在はなんてありがたいんだろう、と思った。
さぁ、読もう。
少なくとも、CAD/CAMでメシ食ってる人は、読むべきだ。
知識なんてのは、一瞬で古くなる。イカンことに古くなってる、ってことを意識することも、これはまた困難だったりする。
そして、広いと思っている手前の顔が、意外と狭いんだってことを知ることなんて、なかなかできない。
だから、間接体験(読書とかだ)を甘く見てはいけないんだよね。
でもね…
毎回々々同じことをしゃべり続けるのも疲れたりするから、ひとつ道具を買った。
これで、事務局の前でエンドレスにプレゼンテーションを流してやる(笑)
四六時中スライドショーをしてくれて2~3万なんだから、安いもんだ。
世間は広い。広いから、繰り返し繰り返し、繰り返し言うこと、
分かってもらうために、伝わるように努力すること、
怠らないように、努力し続けて行こうと思う。
こうすることでしか、世界は変わらない。…たぶん。