3D CG, CAD/CAM/3Dプリンタ な日常でつづる クルスの冒険ブログ

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ノミの心臓 カエルの足

2008年03月22日 | □今日は休日

しっかし、TAMASHII NATIONにはいっぱい人が来ている… 「好き」のチカラはまったく凄いものがあるもんだ。UDXにオフィスがあると、こうしたイベントが身近(てか、すぐ2フロア下だもの)で日々催されていて、勉強になる。誤解のないように言っておくと、別に超合金やらフィギュアの展示会だけではないよ。先週は御徒町の宝飾問屋街(JTO)がこれまた内覧会をやっていたり、その前の週は建材・壁材・屋根材の展示会だった。

同じ4階に入っている東京アニメセンターさんでは、春休みで若いコがいつもいっぱい来ているし、どうやら東京を訪れる外国人向け観光情報にも載ったのだろう、結構な数の外国人旅行者が毎日やって来る… 皆さんここがアニメセンターってことで理解しているようですが、実際は日本動画協会さんの事務所なんだよね。
その規模や知名度において全く比較にゃなりませんけども、「3次元形状を活用する会(3D-GAN)」としても、見習うべきことも多い。
 
で、だ。

写真は、250ccのバイクだ(笑)。
林道に入って、ちょっとぬかるんだ所に足を着いて、それからステップに足を戻すと簡単に滑ってくれて冷汗をかく… というので、ノーマルのゴムから鉄のステップに交換した。振動はそもそも二気筒でスムーズなエンジンなので無視。
交換…というとポン付けに思われますが、

・ホルダーの幅に合うステップを探す
・ピンの径に合わせるためにホルダー側の穴を広げる
・ステップは折りたためる構造で、たたむと干渉するから一部を削る
・折りたたんだ後戻る仕組みのためにバネが入っているからそいつを取り付ける
 
という加工が必要だ。特に、「いい感じ」の部品を探すのに難儀する。
こういったモノは出来る限り少ない加工箇所でやってしまいたいのだけど、「出来る限り」を探るためにはどうしても各部の寸法情報が要る。でも、パーツリストには寸法なんて記載されていないから、いきおい以下の対応になる。

・生産時期の近い他の車種に目星をつける(やはり流用や設計のクセは生産時期と符合するものだ)
・目を付けた部品をヤフオクで探す。出来ればクタクタの安いモノがいい
・届いた部品で、まず合わせてみる(合わなければこれの繰り返し)
・「いい感じ」であったら、加工箇所と方法を考えて加工する
・やっと、取り付け出来る
・クタクタの安パーツの、それの新品を取寄せて同じ加工をして交換

・・・こんな流れ。馬鹿みたいだ(笑)
 
でも、これが一番の近道でおカネもかからない。
「いい感じ」のパーツを探している時が、推理みたいで楽しい。穴径なんかは、部品番号で追って行くと、「ぅお?同じパーツで止めてある…ってことはこれはこっちに付くんじゃね?」的な発見があって、面白い。だから、部品番号から使用している車種を逆引きするパーツリストがあると凄くいいはずなんだけど… 無いね(笑)。もしあったら、きっと凄く面白い発見があるはずだ、と睨んでる。
 
で、加工。
これはもう、技術・経験・道具の世界。どれも欠かせない。特に道具は大事。ということでバイク屋さんに持ち込んで、
「ここはこっちの径に合わせて穴を広げて… この部分をこんな形で削り取って…スプリングはここで切って端をこっちに曲げてね。あ、足の周りだから角は切りっぱなしでいいよ」
というような指示をしてお願いする。自分でやったらもっと楽しみが増えるのだろうけれど、さすがにグラインダーやらボール盤をガレージに置く気にはなれない。(というか、多分相当な説得工作を要することだろう)
金属に限らず、あらゆる加工は「精度と数量と物性が支配する物理法則の世界」だ。
泣こうがわめこうが、祈ろうがキレようが、物理法則にはかないっこない。逆に言えば、そこそこの精度でヨロシ、としてしまえば(それを許せる箇所であれば)何もハードルが高いものでもない。そういう意味ではOFFバイクのステップ取り付けなんかはとても気がラクだね。精度低く数少なく、気楽なものです。
 
・・・・あぁー楽しい!(笑)
ピタっと組み上がると、「オレ様感」がフツフツと湧いてくる。
つまり…
目標設定、情報収集、仮説を立てる、実施、検証… 仮説の証明←目標達成
ってことを物理的対象においてやっている訳だ(難しく言うとね)。
これが、グッドアイデアを実行するってことだと思う。

「上手」と「下手」の間には凄い差がある。でも同じ地平に地続きで居る。
「やる」と「やらない」は地続きどころか、次元が違う。

時々、バイクが好きなんだか、以上のようなプロセスが好きなんだか、怪しくなるくらい(笑)その快感は大きい。それもこれも、「好き」ってことだ。
 
まぁだから、自分の「好き」に従順で誠実な人は、その対象がたとえ何であっても、意外と微笑ましく見てしまうのだよね。
ただし、他人の「好き」を安易に否定しない人であれば… だけど(笑)
 
さて、この250のバイク… 次なる欠点はノミの心臓(とにかくトルクが無い)と、安物の足(サスペンション)だ。
心臓の方はきりがないのでやめておくけれども、足の方は「いい感じ」の部品を探し出しつつある。ステムが1,000円、Fフォークが3,500円、Rショックユニットが2,900円・・・・ なんていい時代なんだろう!「好き」をやるにも、経済が邪魔になるからねー。ここがクリアされていればこその、「好き」だ。

まったく中古部品を愛する人には、ヤフオクは神殿のような場所であるねぇ。
ただし、合わなかったパーツ(錆びたガラクタ)が山と積まれることにもなるけどね(笑)
ま、安いからいいんだけどさ(年に1度、市のゴミ集積場に捨てに行くのである)。