空冷2ストロークの甲高いエンジン音と共にぼくらは30キロ先の街に向かった
100ccの非力なエンジンなので、街までは40分ぐらい
今日はタンデムだから1時間くらいかかるだろう
ぼくたちの日常は先を読まない(もっとも、読む余裕などなかったのだが)
まあ、その日も、いつも通りだった
いちおう、海岸線を走ることもあって、彼女はスウェードの皮ジャン、
ぼくは革のグローブを両手に、エンジニアブーツを履いて、
(おきまりの)アーミーパーカーを羽織って、オーウェンのヘルメット(もちろんハーフキャップで
ハルシオンのゴーグルをして、気分だけモッズだった
夕方からバンドの練習があったので、ぼくとミカはあろうことか
それぞれ、ソフトケースに入れたギターを背中にスクーター(100ccだ)に
二人乗りで出かけてしまったのだ
国道を走り、街を隔てる長いトンネルを抜けたあたりでゴーグルに大粒の水滴が当たった
「やばいな・・・」 ぼくは慌てて路肩にヴェスパを停めて、ゴーグルを外してみた
ぽつり ぽつり雨粒が落ちてきている、空が暗くなってきた
「どうしよっか」ぼくは暗い空を見上げて言う、「大丈夫よ~」
ミカはいつもどんな局面でも口癖のように「大丈夫」って言うんだ
でも、楽観的なその言葉に何度も何度もぼくは救われてきた
「仕方ないから走るか」、もう少しだし そう言ってぼくは
左手でギアを入れてアクセルを開けた
100ccの非力なエンジンなので、街までは40分ぐらい
今日はタンデムだから1時間くらいかかるだろう
ぼくたちの日常は先を読まない(もっとも、読む余裕などなかったのだが)
まあ、その日も、いつも通りだった
いちおう、海岸線を走ることもあって、彼女はスウェードの皮ジャン、
ぼくは革のグローブを両手に、エンジニアブーツを履いて、
(おきまりの)アーミーパーカーを羽織って、オーウェンのヘルメット(もちろんハーフキャップで
ハルシオンのゴーグルをして、気分だけモッズだった
夕方からバンドの練習があったので、ぼくとミカはあろうことか
それぞれ、ソフトケースに入れたギターを背中にスクーター(100ccだ)に
二人乗りで出かけてしまったのだ
国道を走り、街を隔てる長いトンネルを抜けたあたりでゴーグルに大粒の水滴が当たった
「やばいな・・・」 ぼくは慌てて路肩にヴェスパを停めて、ゴーグルを外してみた
ぽつり ぽつり雨粒が落ちてきている、空が暗くなってきた
「どうしよっか」ぼくは暗い空を見上げて言う、「大丈夫よ~」
ミカはいつもどんな局面でも口癖のように「大丈夫」って言うんだ
でも、楽観的なその言葉に何度も何度もぼくは救われてきた
「仕方ないから走るか」、もう少しだし そう言ってぼくは
左手でギアを入れてアクセルを開けた
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