虹はポケットの中に

再スタート
何度でも生まれ変わる
自分の音を探す旅

世界はラヴとピースでできている14

2011-11-21 18:22:11 | 世界はラヴとピースでできている
・・・・・でね、夜中に目を覚ましたらなこがいなかったの・・・・・
すごーくすごーく心配したんだよ・・・・それから電話が鳴ったの
そしたらね、なこ、ヴェスパと一緒に道路で倒れてたんだって・・・
死んじゃうとこだったんだよぉ ミカが眼を真っ赤にしてボクに言う
「生きてるよ」とボク「ばかっ」急に真顔になってミカが怒った
左眼からぽろぽろ涙こぼしながら「どれ・・・・だけ…心配したか
なこにはわかんないでしょう」・・・・・「ごめん」
「知らないっ」
そして、横になっているボクの胸に顔をうずめて声を殺して
ミカが泣いていた、この時のボクには情けない話だが、ミカの涙を
止めてあげることはできなかった
ひとしきり泣いた後でミカが言った「あたし、なこ、が、毎日、すきなの・・・・」
「わかる?ま・い・に・ちだよ」その言葉を聞いた途端、今度はボクの眼から
涙が一気にあふれてきた

世界はラヴとピースでできている13

2011-11-21 13:43:57 | 世界はラヴとピースでできている
目を覚ました時にはずいぶんと時間が経っていた
ボクはベッドの上にいた、病院だった、なんとなく何が起きたのかわかったような気がしたけれど
記憶が無い、思い出せない
半ばパニックになってベッドの上でじたばたしていると
ミカがボクを呼ぶ声がした。「なこ、気分はどう?」
不安そうな顔をしてミカが言った
ミカがボクにつけた名前は、なこ、なーこ、ナピ、なたん、・・・切りがない
意味は、どれも不明である
ミカにとってはいつもうたっている即興のうたと
大して変わらないらしい
一日に何度も名前が変わるのだ
それでもボクは何と呼ばれようが普通に返事をしていた

まあ、とにかく、ボクとミカはうまくやっていたんだ
お互いが、お互いの世界の全てであるかのようだった