虹はポケットの中に

再スタート
何度でも生まれ変わる
自分の音を探す旅

世界はラヴとピースでできている11

2011-11-19 15:54:04 | 世界はラヴとピースでできている
スーパーから、ヴェスパを飛ばし、ボクたちは帰路についた
家の前で、バイクを降りてからは、まるで、勝利の凱旋のように
意気揚々としていた
戦利品は、もちろんあの、フルーツ牛乳であることは
言うまでもないが・・・
今日一日の激しさに疲れてしまったボクは、
ソファーに倒れ込むように横になった
さすがに、まぶたが自然と落ちて来そうになるのをこらえて
無理矢理眼を見開いたら、目の前にミカが、両手で大きめの
グラスを持って、ねぇ~飲もうよぉってほっぺたをふくらましていた
ボクは渋々起き上がり、自分のグラスを出した
パックの口を開けてミカに注いであげながら「ねえ、どのくらい?」
「たーくさん、たーくさん」ってミカが言う
たくさん注いであげた
ミカは相変わらず両手でグラスをもって「こくり、こくり」と飲んでいる
その様子は、まるで「この世にこれ以上美味しいものは無い」って顔をしているんだ
「おかわりぃ」「あんまり飲むとおなかこわすぞ」「え~っ」とミカは
急に不安になったらしく「じゃ、もういい、後でまた飲む」
「うん、後でね」ボクはパックを冷蔵庫にしまった
ソファに横になっていると眠くなってきた
「ミカ、うたってよ」・・・言い終わらないうちにミカは
ボクのギターを抱えていた

高音をアクセントにしたきれいなアルペジオ、優しい、優しいメロディ
その、愛のうたに包まれてボクはいつしか眠ってしまっていた