現代中国の代表的文学者と言えば魯迅をおいて他にはないと思う。封建的で儒教文化に染まっていた20世紀初頭までの中国社会を転換させるために行った文芸活動は今なお評価が高いと思う。
広い魯迅公園の中では多くの市民がグループを作ってダンスや歌に興じたり、トランプなどをしている。以前は太極拳が多かったそうだが今は各種のダンスなどが主流だそうだ。
ツアーでは魯迅記念館に入館する予定だったが館内が電気工事とかで臨時休館になっていた。その代案としてガイド氏は会社と連絡をとって日本人租界跡(正確には共同租界の日本人居留地区跡)の見学を急遽組んでくれた。
メインの道路沿いはモダンな洋館が補修され、雑貨飲食などの店舗として利用されている。神戸や横浜の外国人街にちょっと似通った雰囲気だ。
少し裏通りの居住区にも当時の住宅がそのまま並んでいる。日本の敗戦後は中国人の住宅として割り当てられたようだが現在では出稼ぎに上海に来た人に貸して持ち主は別の場所に住居を移しているようだ。
この場所が将来的に再開発がされた場合は持ち主には多額の補償金が支給されるようでそれを待っているそうだ。持ち主と言っても中国の場合は所有権ではなくて居住権があるだけだが。
ガイド氏が次に案内してくれたのは名前に日本の地名が使われたと言う横浜橋だ。昔あった場所に記念として木製の橋が架けられているが現在は更に2百メートル先に横浜橋があるようだ。
しかしながら名前の由来をネットで調べてみると日本の横浜との関連はなく、浜(運河)の横にあるためらしい。