■ラーチャブリー市街の北部、メー・クローン川近くにある古刹、「ワット・マハータート・ウォラウィハン」を訪ねます。
地元では「ワット・ナー・プラタート」または「ワット・パー・シー・ラッタナ・マハータート」と呼ばれ、創建は10世紀から11世紀のドヴァラヴァティー時代で、13世紀には侵攻してきたクメールの統治下でクメール様式に改築、さらに15世紀から16世紀にはスコータイ様式に改造されています。
東門、東向き寺院です。
寺院の塀です。クメール時代にラテライトで築かれましたが、アユタヤ時代に煉瓦製に変更されました。(現在はラテライトで復元されています。)
現在の地表と発掘された創建時の基礎部です。
礼拝堂です。ラテライトの基壇の上に煉瓦積みで建築されたアユタヤ時代のものです。
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■仏塔です。東向きでポルコチ(突き出た玄関部)のある24mの主塔と同じ基壇上の南、北、西に小塔を持つ構成で、17世紀にクメール仏塔を覆い被せる方式で建造されています。
ドヴァラヴァティーの石の鐘です。
アユタヤ様式の座仏です。
ドヴァラヴァティー様式の立仏像です。
ナーガに座るクメール様式の仏陀です。
破風の漆喰彫刻は太子出家踰城の図です。
太子剃髪の図です。
仏陀の頭も鳩にとっては止まり木代わりです。
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■回廊に安置された仏陀です。
仏塔の東に祀られているアユタヤ時代の寝仏です。
ドヴァラヴァティーの仏三尊像です。
ナーガに乗るガルーダです。赤色砂岩ですが摩耗が歴史を感じさせます。
寺院の外周が掘削されていますが、1m以上の土砂が堆積しています。
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堆積した土砂の下層からほじくり出した陶片です。雑な削り出しの磁器片などに混じって気になる欠片がありました。
底に大きな穴、立ち上がり面に無造作に開けられた穴、裏面の重ね焼きの後、よく付着した自然釉などから「匣」だと判断したのですが、この一帯で古代の陶磁器窯址は報告されていません。
発掘れているのは寺院周辺だけですが、もっと掘り進めば新しい発見がありそうです。
メー・クローン川東岸の「バン・コック・モー」にアユタヤ時代の窯址がありますが、低温焼成の日常品を生産していたようで匣が用いられた痕跡はありません。
山門近くの雑貨店です。
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■「ワット・マハータート・ウォラウィハン」の西方2kmの「カオ・グー」へ向かう国道3291号線沿いにある「チェディ・ハック」です。(ちなみに「カオ・グー」へはさらに4km西方になります。)
11世紀から13世紀に建立されたアユタヤの勢力が及ぶ前の仏塔です。塔頂部は壊れています。
手前の道路は国道3291号線です。
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