の~んびり タイランド 2

タイの風景、行事や趣味の陶磁器を写真を中心に気ままに紹介しています。

ラーチャブリーにドヴァラヴァティーを訪ねる(1)

2014年07月28日 | ラーチャブリー
■4月、5月とイサーンへ通い詰めたので、今回は近場でバンコクの西方へ140kmにあるラーチャブリーのドヴァラヴァティーの足跡を訪ねることにしました。

ラーチャブリーは「メー・クローン川」沿いにあって、東西交易の中継地として栄えた古代都市遺跡が残っています。
「メー・クローン川」沿いでラーチャブリーの上流54kmにある「ポン・トゥク遺跡」からは紀元5世紀から7世紀に作られたビザンチィン製の青銅製ランプが発掘されています。さらに北にある「ウー・トーン遺跡」では持込まれた年代は不明ですが、西暦270年前後に造幣されたローマ帝国の銅貨が出土しています。このように西方からインドを経由して、ベンガル湾のマルタバンから陸路で「スリー・パゴダ峠」を通過して「クウェー川」、「メー・クローン川」を利用した交易ルートが4世紀頃にはすでに確立していたようです。「ポン・トゥク遺跡」から東へ40km進むと、ドヴァラヴァティー王国の中心であったと考えられている「ナコーン・パトム」、そして南にラーチャブリーがあります。
「ポン・トゥク遺跡」は前史時代の墳墓の上に建つ遺跡で、早い時代から人が住み付いていました。

やがて交易の中心は環濠都市「クー・ブア」に移り発展していきます。ラーチャブリー周辺にはドヴァラヴァティーの仏教遺跡が点在します。また、現在は内陸部となっていますが平安海進(8世紀から12世紀)で古代の海岸線がこの近にあったと言われています。
ラーチャブリーの「メー・クローン川」からは漢、唐、宋、元時代の陶磁器が引揚げられ「ラーチャブリー国立博物館」に展示されています。

■ラーチャブリー市街を抜ける国道4号線から国道3087号線を西に6km進むと「カオ・グー・ストーン・パーク」があります。さらに西へ進めば最近、保養地として人気が出てきた「スワン・プーン」に至り、ミャンマーへと通じています。



「カオ・グー」の入り口です。



石灰岩の切り立った東面に巨大な遊歩仏が安置されています。手前に駐車した自動車と比較すれば、その大きさが判ります。

「ナンヨウサルスベリ」の花です。花の大きさは日本のサルスベリの2倍から3倍はあります。




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■カオ・グーの一番東側の洞穴「ターム・ルーシー・カオ・グー」です。
高さ44mの階段を上った所に洞穴があります。





5世紀から7世紀に彫られた倚仏「プラ・プッタチャイ・ターム・ルーシー・カオ・グ」です。





側面には立仏像が彫られています。周りを囲む座仏はアユタヤ時代の砂岩製の仏像です。
ドヴァラヴァティーのモン族は主に、より固い石灰岩で仏像彫刻をしています。





枝穴が2本あるのですが、その一つです。光が届いていなくて入口からフラッシュ撮影をしました。なお、ロウソクは自分で灯してきました。



次に目指すのは左の山の中腹にある洞穴「ターム・ファー・トー」です。白い点になっているのが参道途中の休憩所です。

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■「ターム・ルーシー・カオ・グー」から西へ250mの山の中腹にある洞穴「ターム・ファー・トー」です。
切立つ石灰岩の間に作られた急な階段を上ります。さほど高くはないが、休憩なしには登り切れません。

「ターム・ファー・トー」の入り口です。
この手前にも石灰岩の窪みがあって、焼成粘土の屋根瓦で覆われていた痕跡があるのですが、草木が茂り近寄れませんでした。

洞穴の左右の面に仏像が彫られています。7世紀の建造と判定されています。

菩提樹の木の下に腰掛け蓮を持つ仏陀像と3体の人物像です。中央は階段でしょうか。





階段の右に彫られた2体は不鮮明です。元々は漆喰で仕上げられていたものが、長年の風雨で流されてしまったようです。

仏陀の頭上には菩提樹が彫られています。





左には漆喰で沙羅双樹が彫刻されています。



樹神(テワダー)が彫られていたようですが、頭部等は剥落(盗難?)しています。

洞穴の壁に沿って涅槃仏が彫られています。



光背は漆喰の精緻な模様の一部が残っています。



洞穴内が狭くて仏陀像全体を撮影するのは困難です。



涅槃像の上に彫られた天人像です。やはり漆喰で仕上がされています。



アユタヤ時代の壊れた仏像が放置されています。



洞穴の手前から見る周りの山です。




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一帯は猿が繁殖しています。



老婆は猿の餌、トウモロコシを売っているのですが、乗用車から猿を追っ払ってくれれば、下りてきた時に買う、という条件で登ってきました。
普通の人が参拝に費やす時間の何十倍もかかって下りてきたのですが、近寄る猿を一生懸命に追っ払ってくれていました。
お礼のお金だけ渡しておきました。


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