○スヴェトラーノフ指揮ベルリン・フィル(KAPELLMEISTER:CD-R)1989/3/5ベルリンlive
強靭なタテノリの比較的クレンペラー型の、やや客観性のある表現ではあるものの、キレのいい音と強いアゴーギグでスヴェトラらしさが発揮されている。かなりちゃんと解釈され、それが音になっているのはこのオケの機能性ならではといったところだろう(けして指揮者を信用しきった音の感じはしない)。前者のイメージが強いスヴェトラ後期の西欧オケものだが、このソヴィエト崩壊しっちゃかめっちゃか状態の時期においてゴスオケもまた人材流出激しくレベルを保てないと言われていたこともあり、ロンドンのオケもの以上にこの時期のスヴェトラ芸術の真価を確認できるものとして価値はあろう。私もこのころスヴェトラのチャイコ実演と比較的古いメロディヤ録音の数々で魅了されていた(進行中のアンソロジーシリーズは余りに一発録りが多くムラがあり、グラズノフなど私には酷いと感じられた)。とくにブラームスやブルックナーが印象的であったが、ベートーヴェンもなかったわけでもなく、ただ個人的に定めていた範疇から外れているので余り耳なじみはなかったのだが、芸風的にはブラームスの録音のやり方に似ており、じっさい最後のヴァイオリンのプレストからの雪崩れ込みはベルリンの聴衆を魅了するのに十分だったようだ。客演指揮者に対する客席反応(拍手とザワメキ)はベルリンにしてはかなりいいと思う。もっと、もっとプレストに力感が欲しかったがある程度の客観性を求められて抑えているところもあるのだろう。○にしておく。
強靭なタテノリの比較的クレンペラー型の、やや客観性のある表現ではあるものの、キレのいい音と強いアゴーギグでスヴェトラらしさが発揮されている。かなりちゃんと解釈され、それが音になっているのはこのオケの機能性ならではといったところだろう(けして指揮者を信用しきった音の感じはしない)。前者のイメージが強いスヴェトラ後期の西欧オケものだが、このソヴィエト崩壊しっちゃかめっちゃか状態の時期においてゴスオケもまた人材流出激しくレベルを保てないと言われていたこともあり、ロンドンのオケもの以上にこの時期のスヴェトラ芸術の真価を確認できるものとして価値はあろう。私もこのころスヴェトラのチャイコ実演と比較的古いメロディヤ録音の数々で魅了されていた(進行中のアンソロジーシリーズは余りに一発録りが多くムラがあり、グラズノフなど私には酷いと感じられた)。とくにブラームスやブルックナーが印象的であったが、ベートーヴェンもなかったわけでもなく、ただ個人的に定めていた範疇から外れているので余り耳なじみはなかったのだが、芸風的にはブラームスの録音のやり方に似ており、じっさい最後のヴァイオリンのプレストからの雪崩れ込みはベルリンの聴衆を魅了するのに十分だったようだ。客演指揮者に対する客席反応(拍手とザワメキ)はベルリンにしてはかなりいいと思う。もっと、もっとプレストに力感が欲しかったがある程度の客観性を求められて抑えているところもあるのだろう。○にしておく。