湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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アイヴズ:交響曲第2番

2006年07月21日 | アイヴズ
バーンスタイン指揮NYP(WME:CD-R)1986live・CD

録音状態がまずい。放送エアチェックでしかもモノラルである。この時期にはバンスタも芸風が変わっていたのだが、ちょっと聴きまるで50年代初演当時のような味気なさがする。ライヴならではというか引き締まっており、緩徐楽章以外はロマン性よりひたすら前進性を煽る。2楽章と5楽章の結部をまったく粘らず早々に打ち切るさまはほんとに50年代を彷彿とする。

しかし折角アイヴズがセンセイに敬意をはらってワグナーやブラームスふうに構造的に書いている場所でも音が潰れて旋律もしくは低音部しか聞こえてこない。これは音盤としてだめだ。頭の中で補いつつ聴けばそれなりに面白く、感銘も受けるし、終演後のブラヴォも理解できるのだが、それにしても・・・これはいただけない。オケは気合十分だしバンスタの解釈も至れり尽くせりなのだが。

それにしてもアメリカ人はこれを聞いてどう思うんだろう。日本に置き換えるならば演歌メドレーにはじまり御詠歌やら旧制高等学校寮歌やら仏教声明やらをぶちこんでブラームス風の交響曲に仕立て上げたようなもんだ(らんぼう)。この曲は巧みなリズム構造にも特徴があり、完全にポリリズムになってしまう直前で巧く聴きやすい形にまとめている。そこが対位法的構造とあいまって、打楽器が活躍する2,4楽章ではとても気分を高揚させるのだが、

この録音じゃろくに聞こえてこない。無印。

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