湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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プロコフィエフ:弦楽四重奏曲第1番3楽章(合奏編曲)

2006年05月10日 | プロコフィエフ
○ロジェストヴェンスキー指揮モスクワ放送交響楽団(MELODIYA他)CD

曲を知らなければ楽しめるだろう。しかし原曲の「暖炉の前で老人が子供になつかしい昔語りをするような雰囲気」を知っている者にとってはまるで「燃え上がる戦乱の町の前で昔の平和を慟哭するような雰囲気」はちょっと稀有壮大すぎる感がする。原曲はあまりメジャーではないが極めて素晴らしい傑作室内楽であり、2番よりむしろプロコらしいとも言え、もっと演奏されてもいいものである。1楽章の辛らつな溌剌から2楽章のスポーツ的感興ときて3楽章で静かに消滅していくさまが構成の妙としてあり、この楽章も非常に印象的な楽想に彩られているから決して悪くはないのだが、違和感は拭えない。ショスタコのそれと同じで、まったく別物、別の曲として聞くのがいいだろう。そうするととても感情を煽り立てられる感動的な作品として聞こえる。ロジェストは巧いが、やはり別物として演奏しており、一つのドラマとしてこの楽章抜粋編曲を描き出している。オケも力強い。○とはしておく。
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