○カイルベルト指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団(VIBRATO:CD-R)1950/2/4live
録音が悪いのが惜しまれる熱演。といっても4楽章まではかなりインテンポ気味だし(1楽章冒頭の序奏部からほぼそのまま遅いテンポで主部に入るところなどびっくりしたが、ここだけではない)、どちらかというと横の流れより縦を揃えるほうに気を注ぐ客観的なまとめかたをしているのだが、ややバラケ気味の発音とあいまって、特に3,4楽章の緩徐主題のフレージング、表現の深さや甘い感傷性にはちょっと驚かされ、感動を呼び覚まさせられるものがある。また4楽章最後のクライマックスの力強いうねりにも胸動かされる。バンスタあたりのうねりかたに比べれば全然たいしたことはないのだが、全般揺れない中でのコントラストということでこの3,4楽章の一部に見られる情緒的起伏は非常に効果的に働いている。旧来のドイツ式の表現をベースにウィーンふうの情緒をここぞというところで盛り込んだ解釈は、決して調子の良くない単彩なオケによっての表現ではあるものの、他には聴かれないたぐいの巨人を描き出しているということで余裕で○をつけておく。拍手カットはこのブートレーベルの特徴か。
録音が悪いのが惜しまれる熱演。といっても4楽章まではかなりインテンポ気味だし(1楽章冒頭の序奏部からほぼそのまま遅いテンポで主部に入るところなどびっくりしたが、ここだけではない)、どちらかというと横の流れより縦を揃えるほうに気を注ぐ客観的なまとめかたをしているのだが、ややバラケ気味の発音とあいまって、特に3,4楽章の緩徐主題のフレージング、表現の深さや甘い感傷性にはちょっと驚かされ、感動を呼び覚まさせられるものがある。また4楽章最後のクライマックスの力強いうねりにも胸動かされる。バンスタあたりのうねりかたに比べれば全然たいしたことはないのだが、全般揺れない中でのコントラストということでこの3,4楽章の一部に見られる情緒的起伏は非常に効果的に働いている。旧来のドイツ式の表現をベースにウィーンふうの情緒をここぞというところで盛り込んだ解釈は、決して調子の良くない単彩なオケによっての表現ではあるものの、他には聴かれないたぐいの巨人を描き出しているということで余裕で○をつけておく。拍手カットはこのブートレーベルの特徴か。