湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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シベリウス:交響曲第4番

2018年04月23日 | Weblog
〇ロジンスキ指揮NYP(SLS)1946/3/3カーネギーホールlive

ロジンスキライヴはノイズが当たり前でこれも終始ノイズが入り続けて耳障り悪いのだが、40年代とは思えない情報量の多いモノラル録音でうまくリマスタリングすればかなり分厚い音で楽しめる録音だと思う。演奏内容もよい。力づくで押し通すスタイルを押し殺し、ロジンスキとは思えない(専制君主的統制はロジンスキだが)ひそやかな音楽の再現につとめている。これはロマン派音楽ではない、かといって印象派音楽でもない。シベリウスなのだ、という個性の主張が狂おしくあらわれた過渡期における代表作を、2番や5番の要求する力強く盛り上がり収斂していくことをここでは求められていない、と判断し一つ一つの断片的フレーズと内省的な響きを、つとめてシベリウス的であるようにやっていてある意味ビーチャムのようなスマートな演奏家を足元にも寄せ付けない心の深さを示している。むろんNYPSOの威力によるところも大きいし、NYPSOという猛獣を手なづける手腕もあろうが、それ以前にこの指揮者が同時代音楽を大の得意とし、そういう演目を好んだということがよくわかる。これは好きな人が振っている音だ。バルビローリかと思うようなところもある(しかしあのように愛撫する音楽ば作らない)。飽きさせない名演。
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