ファイン・アーツ四重奏団(naxos)CD
奇をてらわず民族味もなく安定した大人の演奏なのだが、装飾音のひっかけたような指回しと震えるヴィブラートに懐かしい味がある。「現代の演奏だからアレコレ」という悪印象なく正攻法で楽しめる。naxos新録音の演奏家にしては固いデジタル味がないのは良い(録音のせいもあるかもしれない)。もちろん国民楽派グラズノフを求めるなら誇張が足りない、物足りないと思うが、普通の人がロシアの有名室内楽ということで教養として聴くには良いだろう。旋律だけでも十分な曲だ。4楽章はファーストのアタックが強くテンポを少しずらして、さらに音色でワルツを演出していて特筆すべきところだ。ただし細かい揺らしがないのでワルツには聴こえない。。5楽章フィナーレは余りに落ち着いてしまった。
グラズノフ:5つのノヴェレッテ | |
グラズノフ,ナサニエル・ローゼン(Vc.),ファイン・アーツ四重奏団 |