湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」

2017年05月13日 | その他古典等
○サモスード指揮ソヴィエト国立放送管弦楽団(KNIGA)LP

多分知らない人に聞かせたらこれがまさか古いロシアの演奏とは思わないだろう。私も驚いた。サモスードのモーツァルトはこれだけではないが、これほど緊密なアンサンブルを組み立てて正統派の演奏をやってのけられる人とは思わなかった。メリク・パシャーエフを彷彿とする。音楽は実にリズミカルでハツラツとしていて力強さには威厳さえ感じられ、管楽器にしても厳しく律せられいささかもロシアのアバウトな香りがしない。立派に、正統的に吹いている(ロシア奏法はまったく影をひそめているのだ!)。いささかのブレもハメの外しもない。ロシアにありがちな(そしてサモスードにありがちな)弦楽器の音の不自然な強靭さも録音バランスがいいせいか全く耳につかず丁度良く、勢いがありアンサンブルは完璧に噛みあい、聞きやすいし何より胸がすく。モノラルで古いため◎にはできないし、考証派の人にはロマンティックすぎる(これでも!)と思われるかもしれないが「普通の人」は間違いなく名演と感じるだろう。私は後期ロマン派以降の楽曲を専門とし、このての古典派寄りの楽曲ではまずもって感動することはない。しかしこれは何度も何度も聞いた。アレグロ楽章のリズムの良さに何より感動する。素晴らしい。
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