湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

☆タンスマン:弦楽合奏のためのトリプティク

2017年12月13日 | 北欧・東欧
○ジンブラー弦楽シンフォニエッタ(DECCA)

RVW「アカデミックな協奏曲」(ソリスト:フックス)の裏面に収録されているもので、題は「三幅画」等の意をはらむ。元は弦楽四重奏曲でクーリッジ夫人に捧げられたもの。初演直後に合奏曲編曲されゴルシュマンのセントルイスのシリーズに組み込まれ長く成功をおさめた。漂泊の作曲家34歳のときのことである。もっと大規模な編成にあうという本人の考えによる編曲のようだが、大体において下地が小規模アンサンブル曲である場合、例え作曲家本人の手によっているとしても完全には成功し難い。単純性を払拭しきれないのだ。

中欧の民族音楽に強く影響されたエネルギッシュな音楽、というライナーの記述からも「新しい音楽ではない」ことは伺える。抽象音楽指向だが新古典ふうではなく、時代性がある。いわば折衷的だ。耳馴染みのよい、適度に晦渋で少し不器用だが、部分的に個性的な透明感ある響きと書法がはっとさせ、ニールセンからマルティヌーといった作曲家のはなつ煌きと同じようなものを持っている。演奏はギチギチの弦楽合奏団であるこの合奏団らしさは依然あるが、若干の柔らかさと濁りが加わっているようにも思う。それは曲のロマン性、とくに三楽章後半に現れる清澄な・・・確か影響を受けたと言していたと思うが、RVW最盛期の感傷音楽に似たフレーズは印象的で、曲的には焦燥感の中にこれを持ち込むのはオネゲルのやり方を思わせちょっとあざといけれども、逆に一番の聴き所となっており、演奏もここで太い響きを滑らかにうねらせている。○。CD-R化していたか。

※2009-02-21 19:53:18の記事です

Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ☆ヴォーン・ウィリアムズ:ロ... | TOP | ☆グラズノフ:交響曲第8番 »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | 北欧・東欧