湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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<銭湯日記>改良湯(渋谷)白湯銭湯 <人工>炭酸泉、軟水

2020年02月18日 | 東京温泉
壁のクジラでおなじみ、都会のなかの庶民エリアに出現した現代銭湯。








渋谷といっても東側の、渋谷川近く代官山恵比寿に寄ったところにあり、國學院大學のちょうど下あたりとあって早くから学生で混む。古くからのアパート銭湯を最近リニューアルしたピカピカのデザイナーズ銭湯、若い人が来やすいモノトーンでアートな異空間となっている。もちろん元からの高齢者も来ている。空いてる時間帯でも、浴室が狭目なので混むのは仕方ない。洗い場が少ないようだ。そのぶん浴槽の広さはがんばっている。遠赤外線サウナはわたしはどうでもいい。






これはクジラの裏側の入り口で、表側に無いという点も何やら割烹みたい。だが中はデザインこそ凝っているが下駄箱、券売機、自動ドア内にフロントと普通の銭湯だ。こういうとこなので公式グッズも売ってるけど、コンクリ打ちっぱなしの共用部が全体の中で広すぎるきもする。。人が集うデザインでもなく、段差があるのも不思議なアート空間。ここはデザイナーズ銭湯の典型として、アート系銭湯に含めるべきなんだろう。浴室の壁上には未来派のような壁画があり、全般黒く暗いなか天井に青い照明がさしかかり、目が悪いとよく見えない水風呂やサウナの入り口、洗い場はいうても学生が多いから行儀よく並んでるが、桶は透明なプラスティックでデザインされた急須型、椅子も同じ素材感、などなど全体的に統一的にデザインされている。シャンプー等完備だが下に置くようになっていて使いやすい。例の泡の多いシャンプー(水増しされあんま泡立たない)なので倍くらい出さないとだめだけど、わかってればいい話。


さて、浴槽はとてもいい。例によってバブル設備の3つ含まれる白湯大(中?)浴槽にくわえ、がんばれば7人(3(手前)+1(浅い部分)+3(奥、手前より狭い))入るくらいの広さが確保された人工高濃度炭酸泉がある。からん含め全部軟水化したそうだが、ツルツル系でそれ以上の何かはない、一般的な軟水。炭酸泉は新しい設備だから最近の濃度を追求する高濃度炭酸泉のうちに入るとおもうが、濃度明示はなく、肌に泡がつくのもそんなに早くない。もっと言えばちょっと湯温が高い。これは設備は他と大差ないが設定を何らかの理由あって工夫してるのかな。渋谷で炭酸泉に入れるのだから贅沢は言わない。若者ばかりだから一人頭の平均滞留時間も短く、ここよりは平均年齢が上がる中目黒の光明泉よりゆっくりできる(あちらはしかし設定が絶妙なんだよな、、、)。待てば必ず設備・湯は味わえるという点で優れた客筋を捕まえてる、とも言えます。学生は満ち干きが激しいので待てばいいということもある。全般ピカピカなので、気持ち悪いはずはない。デザイナーズ銭湯の最先端を見る思いです。

渋谷の町まるごと再開発、スタジオも本屋もスポーツ用品店もまるごときえた。

先の戦争で空襲を免れた店はこんな感じで輝いていただろう。


渋谷も新宿もかつて黒湯銭湯があったと思うんですよ。いまや渋谷は白湯銭湯ですら片手で数えられそうだし、ネットの隅を穿ってやっと黒湯のことが書かれているくらい…つまりもう記憶でしかない。神泉も温泉があったからこその地名です。温泉は繁華街を形成し、いつしか温泉がメインでなくなり、いつしか枯渇し盛りを過ぎた街とともに消えていく。栄えれば栄えるほど消えていく。あれだけ黒湯銭湯だらけだった浅草が恐らく枯渇により事実上ゼロ、新宿十二社の濃い黒湯は営業的に消えて久しいです。十二社自体が繁華街の栄枯盛衰を物語る地だからして…テルマー湯で透明の運び湯を味わうしかなくなってしまった。

今こそ「人工黒湯」をどこか始めてほしい、と思うのはだめでしょうか。色付き湯は汚れるから(汚れと思われるから)流行らないのは承知のうえですが。


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