湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ

2018年07月29日 | ラヴェル
フレイタス・ブランコ指揮シャンゼリゼ劇場管弦楽団(EMI他)CD

デュクレテ・トムソンからのウェストミンスター、フランスEMIによるCD化ときて今は色々出ているか。ラヴェルの単純な作品でホルンソロに導かれエピソード毎に木管ソロが答唱のようなフレーズを挟み、全体としては原曲のピアノ版以上に優雅で、しかしそれでしかない旋律作品となっている。咽返るようなオケの響きに彩られたブランコの演奏はエネスコのもののような起伏をたっぷり取り入れ、ただボレロほどの遅さはない。ホルンソロのまるきり木管といった音はロシア式のヴィヴラート音を彷彿とさせるほどフランスそのもので、これとオーボエソロの音を聴くだけでも価値はある、これが正統な「亡き王女のためのパヴァーヌ」の管弦楽版である。

ただ、モノラルだ。モノラルに相応しくない音なので、そこはかなりマイナス。ブランコが国へ戻り放送指揮者になってしまったのはラヴェル直系と言われるだけに残念である。
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