湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

☆アイヴズ:夕闇のセントラルパーク

2017年12月28日 | アイヴズ
○ドラティ指揮フィラデルフィア管弦楽団(DA:CD-R)1976live

新しい録音で一応ステレオだがホワイトノイズが激しく音量も安定しない。またよくあることだが音響の真ん中がすっぽり抜けており、中盤での盛り上がりどころのブラスの饗宴などまったく聞こえてこない。まるで遠い池の向こうの出来事だ。しかし録音の悪さを置いておけば、ドラティらしい聞きやすい整え方のなされた演奏であり、それは主として緩まないテンポに厳格な複リズムとして各声部をあてはめていくやり方に起因していて、面白かったろうなあ、と推定することはできる。ティルソン・トーマスのような分析的なやり方ではないためライヴ感溢れる音楽として聞ける。そもそもこのような抽象化作業のなされない「音響」を「音楽」と呼ぶべきなのか異論はあろうが、少なくともドラティで聴くと音楽に聞こえる。とくに弦楽器の瞑想的なコラールが美しい。とても心象的だが決して幻想に流されないきちっとした流れが保たれている。ブラスがいかにもアメリカンでアイヴズにはとても向いているが前記のとおり聞かせどころでまったく聞こえてこないのでここはメリットとはできないか。いずれスケールは落ちるもののアイヴズ入門としては面白いので、機会があれば。これの拡張版ともいえる4番交響曲をドラティで聴いてみたかった。

※2007-06-06 16:01:37の記事です

Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ☆リムスキー・コルサコフ:シ... | TOP | ☆チャイコフスキー:交響曲第... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | アイヴズ