湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆ヴォーン・ウィリアムズ:連作歌曲集「ウェンロックの崖で」

2018年02月04日 | ヴォーン・ウィリアムズ
ピアース(T)ブリテン(P)ゾーリアン四重奏団(decca,pearl/youtube他)1945・CD

RVW完成期(ラヴェル師事後)初期の代表作として弦楽四重奏曲第1番と並び賞される作品。私にとって詩も含め今も大好きな曲。鬱屈の無い素直な感傷がぽっかり明いた青空のように響く。単純さと繊細さの表現がなかなかに難しい作品でもある。録音が古いとどうにも突き抜けた透明感が出ないし、最近の演奏のほうが純度が高く自己主張も弱いので、曲には寧ろあっている。つまりこの演奏は録音が悪いし自己主張が強い。パール盤は恐らく板起こしで、パールにありがちな余り状態のよくないLPからの余り質のよくない素材の盤へのコピーというわけで、正直勧めるまではいかない。この中ではブリテンが一番リリシズムを醸しており、ゾーリアンは長短ない表現、ピアースははっきり、主張が強すぎる。詩が即物的な感もあり、そこは歌唱法で抑えて欲しいところだ。こうあけっぴろげにオペラティックな世界を展開されると、イマイチ入り込めない。○にしてもいいが、ブリテンもリズムやテンポ的には醒めており、今は無印にしておく。前に評したときはLPだったので印象が変わっているかもしれないが容赦願う。

※2008-12-23 11:44:31の記事です

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