◎ストゥプカ指揮チェコ・フィル(arllechino)1951live・CD
録音は悪いし客席反応も普通だがちょっと驚くくらい集中度の高い、特に中低弦のじつに充実した演奏で、激しい楽想においてはターリッヒの統率力を感じさせるが冒頭より一貫して緩徐部の表現が重厚かつ情緒纏綿、ゴリゴリくるベースに男らしくも美しいチェロの合奏が素晴らしい。諸所録音に問題はあるものの、ストゥプカのライヴとは思えない精度の高さはターリッヒのムラヴィン的マンネリズムとはまた違った、ドイツ式構築性とロシア式情緒表現の見事なコントラストの妙がきかれる。とくに惹かれたのは2楽章の雄渾な表現だが、雄渾といってもただダダダダと機械的に畳み掛けるのではなくフレージングとアンサンブルで美しい「音楽」を造り上げる。とりあえず何かこの演奏には他に無いものがあり、欠けているものもない。録音を問題としないならば、◎以外につけようがない。ドヴォルザークというのは完璧な作曲家だったのだなあ、と改めて賞賛したくなる、完璧な演奏だ。
録音は悪いし客席反応も普通だがちょっと驚くくらい集中度の高い、特に中低弦のじつに充実した演奏で、激しい楽想においてはターリッヒの統率力を感じさせるが冒頭より一貫して緩徐部の表現が重厚かつ情緒纏綿、ゴリゴリくるベースに男らしくも美しいチェロの合奏が素晴らしい。諸所録音に問題はあるものの、ストゥプカのライヴとは思えない精度の高さはターリッヒのムラヴィン的マンネリズムとはまた違った、ドイツ式構築性とロシア式情緒表現の見事なコントラストの妙がきかれる。とくに惹かれたのは2楽章の雄渾な表現だが、雄渾といってもただダダダダと機械的に畳み掛けるのではなくフレージングとアンサンブルで美しい「音楽」を造り上げる。とりあえず何かこの演奏には他に無いものがあり、欠けているものもない。録音を問題としないならば、◎以外につけようがない。ドヴォルザークというのは完璧な作曲家だったのだなあ、と改めて賞賛したくなる、完璧な演奏だ。