湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第二組曲

2019年01月26日 | ラヴェル
ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(vai)1962/4/17ハーバード大学サンダースシアターlive放送(映像)・DVD

ミュンシュのこの曲の映像は3種あまりあるか、よく見ると割と個々に違っていて、この演奏は最初から作りが大きく(こころなしか編成も大きく見える)ミュンシュも幻想、海ときてここで疲労を隠せない動き方だが、それが程よく手綱を緩め演者の表現に面白い膨らみをもたらしているように感じた。それは「夜明け」ではソロミスや合奏のややぼやっとした響きを生んでおり、なんとなく固いようにも思った。映像だから演者の後ろの方で実際緩んでいる仕草も見える。だがパントマイムでフルート第一奏者が魅せる。他の映像でもこのトップの女性が吹いていたかと思うが、ここは見せ所の長丁場ゆえ皆気合は入り技巧はみせるが、この人は、とくにこのときは棒のような冷たい音を出すボストンの各奏者の中にあっていかにも暖かく美しい、ニュアンスに富んだソロを聴かせている。フランスオケでも通用するだろう。素晴らしい。この人が音だけでも際立っている。それは終演後呼び出され手の甲にキスされるだろう。全員の踊りはどうやったって盛り上がるようにできており、ミュンシュも体力を忘れて狂乱するのでこれはこれでいつものことである。爆発的拍手でおわる。
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4 Comments

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ドワイアーさん (サンセバスチャン)
2019-01-27 13:03:44
ミュンシュ時代になって初めて女性奏者を入れたそうで、彼女は80年代までフルートの首席でした。
フランスのオケは同時代でも沢山女性がいたのに、アメリカは保守的ですね。
ミュンシュはキスするのもエレガントですね。
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Re:ドワイアーさん (r_o_k)
2019-01-27 13:26:41
そうなんですね、ミュンシュが入れたのですね。この演奏は素晴らしかったです。もちろんビジュアル的にも、微動だにしないソロ奏者ばかりの中感情的に動いていたのが印象的でした。
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何とご存命 (サンセバスチャン)
2019-01-28 00:12:48
ドワイアーさん、何と96歳でご存命。驚きました。
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Re:何とご存命 (r_o_k)
2019-01-28 00:33:07
女性奏者と男性作曲家には長命なイメージがありますが、今となっては時代の生き証人ですね。それにしても純粋なアメリカ人のオケマンなんですね。ソロ志向でもなく。素晴らしいことです。
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