湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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オネゲル:交響曲第3番「典礼風」

2018年10月17日 | Weblog
作曲家指揮交響楽団(m&a他)1949・CD

有名な自作自演録音だがSP起こしだとかなり耳触り悪く実態が聴こえてこない。新しい復刻をあたるに越したことはない。極めて厳しく律せられた演奏で、あまりの硬直ぶりにオケが盛大に軋み、乱れるところも多々聴かれる。SPなのでスケールを捉えきれていないせいかもしれないが、およそミュンシュとは違う剛直さをもっている。逆にオネゲルの性格も透けてくるし、こういうスタイルでしか伝わってこないものもある。構築的で響きに非常に注意を払っており、録音のせいでちゃんと聞こえない場面も多いが、二楽章の弦の入る前はまるで教会のオルガンのような轟が曲の趣旨に立ち返らせてくれる。二楽章の長々しい歌のあと、三楽章は鼓膜が痛くなるような痛烈な連打が印象深く、行進のクライマックスではメカニカルにテンポを落とし、非情緒的に盛り上げる。そのあとは音が潰れているせいもあってオルガン的な響きの上に、弦および高音域の管楽器、ピアノが、一つ一つの楽節に音を切り詰め正確に嵌めていく。異様な清澄さをもって天国的な曲に収めている。これは現代の演奏に通じる大人の表現であり、一楽章冒頭のガラガラ崩れるかんじで聴くのをやめたら勿体ない。フランス・デッカディスク大賞、作曲家による紹介付き,
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