○ソフロニツキー(P)(Arlecchino,MELODIYA)1960/2/2LIVE・CD
このあたりになってくるとスクリアビンは動きと響きの微妙なうつろいを聴かせる「雰囲気作曲家」になってくるので、悪い録音はその状態だけでマイナスである。ただ最初こそイマイチ即物的というか、あからさまに律動的すぎて「楽譜を思い浮かべてしまう」感じが否めないものの、どんどん観念的な夢幻世界に引き込まれていき、痙攣的なトリルが鮮やかに、しかしリアル感なく脳髄を震わせてくる。あ、スクリアビンだ、と改めて認識させる頃には曲が終わる。ソフロニツキーの真骨頂は寧ろこういう表現力にあるのだろう。けして技術的にホロヴィッツと拮抗できる人では無いと改めて思うが、ロシアのピアニストらしい豪快さと感情表現の幅の広さが聴ける演奏。○。
このあたりになってくるとスクリアビンは動きと響きの微妙なうつろいを聴かせる「雰囲気作曲家」になってくるので、悪い録音はその状態だけでマイナスである。ただ最初こそイマイチ即物的というか、あからさまに律動的すぎて「楽譜を思い浮かべてしまう」感じが否めないものの、どんどん観念的な夢幻世界に引き込まれていき、痙攣的なトリルが鮮やかに、しかしリアル感なく脳髄を震わせてくる。あ、スクリアビンだ、と改めて認識させる頃には曲が終わる。ソフロニツキーの真骨頂は寧ろこういう表現力にあるのだろう。けして技術的にホロヴィッツと拮抗できる人では無いと改めて思うが、ロシアのピアニストらしい豪快さと感情表現の幅の広さが聴ける演奏。○。
リヒテルがモンサンジョンの本のなかで、たびたびソフロニツキのピアノがひどかったということを言っている一方、ホロヴィッツのピアノは素晴らしい(演奏はほとんど貶していますが)と述べているのが面白いです。
結局、ソ連にいたピアニストにとって、ニューヨークにいるホロヴィッツは目の上のたんこぶみたいなものだったのでしょうね。
ソフロニツキは肝臓がん?で若くしてなくなったので、テクニックの衰えがあったのか、もともとテクニシャンでなかったのか難しいところですが、ショパンのスケルツォ1番はボロボロだと思いました。
どちらかというと、シューベルト、リストなどの歌謡的な曲のほうが良いと思いました。