湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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スクリアビン:ピアノ・ソナタ第10番

2008年12月24日 | スクリアビン
○ソフロニツキー(P)(Arlecchino,MELODIYA)1960/2/2LIVE・CD

このあたりになってくるとスクリアビンは動きと響きの微妙なうつろいを聴かせる「雰囲気作曲家」になってくるので、悪い録音はその状態だけでマイナスである。ただ最初こそイマイチ即物的というか、あからさまに律動的すぎて「楽譜を思い浮かべてしまう」感じが否めないものの、どんどん観念的な夢幻世界に引き込まれていき、痙攣的なトリルが鮮やかに、しかしリアル感なく脳髄を震わせてくる。あ、スクリアビンだ、と改めて認識させる頃には曲が終わる。ソフロニツキーの真骨頂は寧ろこういう表現力にあるのだろう。けして技術的にホロヴィッツと拮抗できる人では無いと改めて思うが、ロシアのピアニストらしい豪快さと感情表現の幅の広さが聴ける演奏。○。

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4 Comments

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わりとありがちな演奏家タイプ? (管理人)
2008-12-26 11:36:41
リヒテルにしても割と神経質でタイプはまったく違いますよね。ソフロニツキのような乱暴豪快系の演奏は今は余り無いですけど、ちょっと前まではロシア系演奏家によくあったような覚えがあります。ホロヴィッツは別格的なところがあり、スクリアビン自体もロシア国民楽派を嫌い海外公演を好んでいた節があり(作曲の作法自体もロシアとはかけ離れていますし)、ホロヴィッツ向きであると思います。
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テクニック (サンセバスチャン)
2008-12-26 09:10:00
ホロヴィッツのレパートリーと重なるところが多いのでどうしても比較してしまいますね。
リヒテルがモンサンジョンの本のなかで、たびたびソフロニツキのピアノがひどかったということを言っている一方、ホロヴィッツのピアノは素晴らしい(演奏はほとんど貶していますが)と述べているのが面白いです。
結局、ソ連にいたピアニストにとって、ニューヨークにいるホロヴィッツは目の上のたんこぶみたいなものだったのでしょうね。
ソフロニツキは肝臓がん?で若くしてなくなったので、テクニックの衰えがあったのか、もともとテクニシャンでなかったのか難しいところですが、ショパンのスケルツォ1番はボロボロだと思いました。
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曲が病的 (管理人)
2008-12-25 13:07:11
ホロヴィッツの異様に神経質な感じはソフロニツキには出せなかったようですね。歌謡的といえば確かに、だらけずすっぱり弾けるという点で、より古いロマン派に似合う人だったのかもしれないです。
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Unknown (サンセバスチャン)
2008-12-25 11:43:22
ホロヴィッツほど病的ではないですね。
どちらかというと、シューベルト、リストなどの歌謡的な曲のほうが良いと思いました。
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