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湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆スクリアビン:法悦の詩(交響曲第4番)(1904-07)

2016年10月25日 | Weblog

◎スヴェトラーノフ指揮フランス国立管弦楽団(naive)2001/1/25live・CD

総演奏時間25分32秒の凄絶たる名演である。中規模の管弦楽曲として前プロに組まれる程度のものと扱われてきた同曲に、「交響曲」という名前をあたえるのに何の躊躇も与えさせない、そういった演奏だ。スヴェトラーノフの演奏にはしばしば付与される「神懸かり的」という形容詞を、ここでも使わせて頂きたい。クライマックスの、これ以上は不可能なほどの超遅テンポで粘りに粘った表現は、オケの美しく透明な音で浄化され、高くおおきく、眩い光に満ち溢れて、それはもはや崇高ですらある。スクリアビンが聴いたらさぞ感動したことだろう。「法悦」という個人的で卑近な感覚を、スクリアビンの目したとおり、万人の解脱と神との融合という壮大な妄想に解き放つものとなりえている。そんな演奏を私は他に知らない。解釈の全般はEXTON盤とほぼ変わらず、オケの力量や総体の完成度でいえばそれらロシア盤に水をあけねばならないかもしれないが、ここでスヴェトラーノフとフランス国立オケは不思議な釣り合いを見せており、ライヴならではの臨場感も含め、独特のカタルシスを与えるものとなっている。終演後のブラヴォーの嵐はこの演奏の凄さを裏付けるものだ。最晩年のスヴェトラーノフの底力を見せ付けられた。,
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