湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ホヴァネス:神秘的な山(交響曲第2番)

2005年05月15日 | アメリカ
ストコフスキ指揮ヒズ・シンフォニー・オーケストラ(CALA)1958/9/25カーネギーホールlive

1楽章アンダンテ、弦楽器の横長で和声的な動きがいかにもヴォーン・ウィリアムズの影響を受けており、教会音楽的で、特筆できるものとなっている。「タリス幻想曲」の影響うんぬんが言われるのもそのせいだろう。そこにホルスト風の神秘主義的なアクセントがハープやシロフォンなどによって付けられて、そこにブラスの分厚い響きがいささか無造作に載せられている。やや印象主義的な掴みどころのなさを感じる。2楽章モデラートの出だしなどいかにもヴォーン・ウィリアムズである。このコンサートではRVWの9番シンフォニーのアメリカ初演がなされているが、オマージュと言ってもいいくらいにその心を揺さぶる美しさがエコーしている。ヴォーン・ウィリアムズが民謡をさばくときのあの独特の土臭い調子に似た感じなのがプレスト部であるが、人によってはより洗練された、またより古典的な調子と感じる向きもあるかもしれない。それにしても弦楽アンサンブルをかっこよくさばくのが巧い指揮者だ。弦楽が細かい音符を刻み続ける上に分厚いブラスが横長の旋律を偉大に歌うところはヒンデミット張りの激しさがほしいところだが、旋律に今ひとつ魅力がないせいか効果はイマイチ。3楽章になると木管アンサンブルには独特のオリエンタリズムがあらわれて耳をひくが弦楽は依然タリス幻想曲の世界である。悪いとは言わないがちょっとだらだらしてしまう。ブラスの相変わらずの横長で半音階的な旋律のまま終わるのもなんだかしまらない。曲がこうなのだからもうちょっとしっとりやったほうがいいのかもしれない。ストコフスキはくっきり演奏しすぎたきらいもなきにしもあらず。ちょっと2楽章以降に雑音が目立つ。曲想にマイナス。無印。
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