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2012年度作品。アメリカ映画。
世界のはずれにあるかのようなバスタブ島。ハッシュパピーという少女(クヮヴェンジャネ・ウォレス)はここで元気いっぱいに育った。ある日、嵐がバスタブ島を襲い、ハッシュパピーの大好きだった日常を奪っていった。あの日の父(ドワイト・ヘンリー)からの言葉と母のぬくもりを胸に、勇気を奮い立たせたハッシュパピーと優しい動物たちが、奇跡を起こす……。
監督はベン・ザイトリン。
出演はクヮヴェンジャネ・ウォレス、ドワイト・ヘンリーら。
雰囲気のいい映画である。
僕には合わず、人気がある理由も最後までわからなかったが、寓話のように感じられる世界が好ましくある一品だった。
舞台のバスタブ島について、映画内ではさほど多くのことは語られていない。
だが世間的には見捨てられた島で、どうも人が勝手に住みついているらしいということはだんだんと見えてくる。
だがその程度の解釈しか(少なくとも僕には)できなかったので、いろいろと疑問に感じる部分はあった。
たとえば、住んでいる人の世間的な立ち位置が見えづらいし、急に猛獣が現れるところなどはわかりにくく、どう受け止めていいのだろうかと困惑してしまう。
ある場所を爆破することで、水が引くシーンも、伏線がないので唐突な印象を受けた。
そのほかにもいくつかの面でうまく馴染めず、物語に没入できなかったきらいはある。そこは少し残念だ。
しかし物語の雰囲気は悪くない。
都会の外枠にバスタブ島はあるが、独自のコミュニティを形成していて、独自の文化もできている。
また自然も豊かで魚を獲って暮らしていたりと、その有り様はユニークだ。
街の外にこういう設定の舞台を用意するという発想は優れている。
あと少し思ったのだが、この作品は主人公をはじめ、みんな本当によく怒っている。
ある意味、みんな感情を全開にしているのだろう。野生の舞台ではみんな野生に返るのかもしれない。ふっとそんなことを思う。
その解釈はともあれ、「Beasts of the Southern Wild」という原題にふさわしい作品とも言えるだろう。
野生味溢れる設定と雰囲気がおもしろい一品だった。
評価:★★(満点は★★★★★)
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