社説 05月03日付
日本国憲法が施行されてから、きょうで六十一年になる。
この間、日本の社会は政治、経済、文化などあらゆる面で変化し、国際情勢も様変わりした。
それに合わせて国のかたちも見直していく必要があるだろう。しかし、変えてはならないものがある。憲法の基本原則である国民主権、平和主義、基本的人権の尊重だ。
いずれも長い時間をかけて到達した普遍的な理念であり、価値で . . . 本文を読む
食品価格の値上げが相次いでいる。所得が伸びない中で、食費の負担が増しており、家計を取り巻く環境は厳しくなっている。
値上げは世界的な現象で、その要因のひとつがバイオエタノールだ。自動車の燃料として脚光を浴び、原料のトウモロコシ増産のため小麦や大豆などの作付けが減っている。また、中国やインドなどの新興国で穀物消費が急増し、干ばつでオーストラリアなどが不作に見舞われている。
こうした要因に . . . 本文を読む
靖国神社を舞台にした映画「靖国 YASUKUNI」(李纓監督)について、神社側が「誤解させる内容がある」などとして一部映像の削除を要求している。一連の事態は、ドキュメンタリー作りの難しさを浮き彫りにした。【臺宏士】
靖国神社が製作会社「龍影」(東京都渋谷区)に削除を求める通知書を出したのは4月11日付。
関係者によると、神社は過去10年間に撮影許可申請を3回受けたが、「靖国」製作のため . . . 本文を読む
経済最前線:(その1) 中国産野菜、輸入減ったが…喜べない国産回帰
◇農家、高齢化で増産困難
大分県別府市の山あいに、シイタケ栽培用の「ほだ木」約10万本が木漏れ日を浴びて並ぶ。シイタケ農家の田中信行さん(59)は「今年は勝負」とみて、増産の準備に忙しい。
今年1月に発覚した中国製ギョーザによる中毒事件で中国産シイタケの輸入が急減し、県産乾(ほし)シイタケ相場は1月末の1キロ495 . . . 本文を読む
年金がわかる:/2 月給が同じでも保険料が違う理由は。
◆月給が同じでも保険料が違う理由は。
◇定期代も「報酬」扱い
会社員のAさんとBさんの月給はともに30万円。給与明細書を見せ合ったところ、Aさんの厚生年金保険料は月2万3993円だったのに、Bさんは2万2494円だった。なぜ約1500円の差がつくのか。
厚生年金の保険料は、毎年4~6月の報酬の平均額で決まる。それを9 . . . 本文を読む
おにぎり一つを盗んで刑務所への出入りを繰り返す。そんな知的障害者の更生問題が顕在化している。再犯の背景として出所後の貧弱な生活支援が指摘され、厚生労働省の研究班がサポートのあり方などについて検討中だ。これまでの調査から、触法障害者が司法と福祉の施策の谷間に落ち込んでいる実態が浮かんでおり、法務・厚労両省の連携強化が急務だ。研究班の報告を受け、両省は年度内にも具体的な施策の立案作業に入る。【坂本 . . . 本文を読む
「迎え棒」なんて言葉があるのをご存じですか。臨月にセックスが行われると、その刺激によってお産が始まるという意味です。このような誤った情報が一人歩きをしているためか、「妊娠中のセックスが怖い」という女性が少なくありません。
古くはソクラテスが妊娠中のセックスを否定したとの記述があります。セックスとは生殖のための行為なのですから、妊娠後にセックスするなど論外だというのです。賢 . . . 本文を読む
2008.4.23
2月ごろから、家庭用洗剤などを混ぜて硫化水素を発生させ、自殺を図る事件が続いている。自殺を図った人が、インターネットの自殺サイトから自殺方法の詳細な情報を得ていたことや、硫化水素で家族や近隣住民まで被害が広がった例があったことなど事件の特異性の高さから、メディアが一斉に報じた。特に今月初旬には、連日のように一般紙の硫化水素自殺報道が続いた。
報道が過熱したことも . . . 本文を読む
憲法記念日(上) 九条は暮らしも支える
5月2日(金)
61回目の憲法記念日がめぐってくる。これまでの数年間に比べれば、改正論議が落ち着きを見せている中での記念日だ。
福田康夫首相の姿勢が影響している。「広く国民、与野党で議論が深められることを期待している」。改正について国会で問われると、そんなあいまいな答えでやり過ごしている。
小泉純一郎元首相は「非戦闘地域」という奇妙な理屈を . . . 本文を読む
大阪市で04年に起きた大阪地裁所長への強盗致傷事件で大阪高検は、成人の被告2人を無罪とした高裁判決の上告を断念した。ようやく無実が確定するが、検察・警察は自ら描いた事件の構図が破綻(はたん)した以上、誤った捜査を検証するとともに、真摯(しんし)に反省しなければならない。
共犯とされた当時少年の2人の審理がまだ、終わっていない。4年にわたった苦しみから一刻も早く解放すべきだ。
帰宅途中の . . . 本文を読む
あれほど盛んだった改憲論議が、今年はすっかりカゲをひそめてしまった。国民の関心は憲法よりも、暮らしに向かっている。
戦後最長の大型景気も天井を打って下り坂に転じた気配が濃厚である。ガソリンだけでなく、食品も値上げラッシュだ。
ところが、所得は一向に伸びない。老後を支える年金や医療保険改革は前進しない。暮らしの悪化の実感の前に、憲法問題は背後に追いやられてしまった。
しかしながら、実 . . . 本文を読む
2008/05/03 09:24
中米の小国コスタリカには、大統領を相手にたった1人で訴訟を起こし、しかも勝訴して外交政策を変えさせた青年がいる。
イラク戦争が始まった2003年、米国はホワイトハウスのホームページに、戦争を支持する「有志連合国リスト」を載せた。日本はもちろんだが、コスタリカの大統領も親米だったためリストに含まれた。大学生だった青年はそれに異議を唱えた。
コス . . . 本文を読む
社説(2008年5月3日朝刊)
【9条を「国際公共財」に】
二国間同盟を維持する上で最も大切なのは「相互の信頼」だといわれる。信頼とは、してほしいと相手国が望んでいることをすることだ。
「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」(地上部隊の派遣)という米国の要求にこたえて小泉政権は、いち早くブッシュ政権支持を表明し、急ごしらえの法律に基づいて自衛隊をイラクに派遣した。
だが、大量破壊兵器 . . . 本文を読む
2008年5月3日
日本国憲法の規範としての力が弱まっています。現実を前に思考停止に陥ることなく、六十年前、廃虚の中で先人が掲げた高い志を再確認しましょう。
昨年七月、北九州市で独り暮らしの男性が孤独死しているのが発見されました。部屋にあった日記に生活の苦しさがつづられ、最後のページには「おにぎりが食べたい」と書いてありました。
男性はタクシー運転手をしていましたが肝臓の病気で働け . . . 本文を読む
◇大沢瑞季(みずき)
◇心読めず「明快論理」出せず--死刑判決後、続く自問
99年に山口県光市であった母子殺人事件で、広島高裁が22日、被告の元少年(27)に死刑判決を言い渡した。差し戻し控訴審を07年5月の初公判から12回すべて傍聴し、広島拘置所で元少年に面会もした。この間、「自分が裁判員だったらどんな判決を出すだろう」という思いが頭を離れなかった。判決を聞いた後も、自問は続いている . . . 本文を読む