Luna's “Tomorrow is another day”

生活情報、人間、生きること…。新聞記事から気になる情報をスクラップ!

社説 [公明党] 独自性を維持してこそ

2007年08月24日 | スクラップ
(2007年8月24日朝刊)





 年金記録不備問題や閣僚の不祥事をめぐる逆風が強まる中で「公明党も自民党と一体とみられた」―公明党の太田昭宏代表は、参院選を総括する全国県代表協議会でこう述べた。

 今回の選挙で同党は目標とする十三議席に届かなかった。選挙区で二、比例代表の得票数も三年前の約八百六十一万票から七百七十六万票に落ち、七議席にとどまった。

 年金や「政治とカネ」の問題が選挙戦を厳しくしたのは確かである。

 だが、有権者はむしろ連立政権を維持するために、「平和、クリーンな党」という同党の独自性が薄れたことに不信の目を向けたのではないか。

 安倍政権が掲げる第九条を軸にした憲法改正の姿勢、同一線上にある集団的自衛権の解釈見直しの動きは、公明党の政治理念とは異なる

 党を支える創価学会をはじめ、県内そして全国の支持者の多くがこの点に疑問を呈したといっていい。

 確かに、久間章生前防衛相が米国の原爆投下を「しょうがない」と容認発言したとき、敏感に反応し真っ先に辞任を求めたのは公明党である。

 だが、松岡利勝元農相、後を継いだ赤城徳彦前農相の事務所費問題では、二人をかばう安倍晋三首相に対して毅然とした対応を求めなかった。

 支持者の不満はそこにもあり、そのことが投票行動に影響したのは間違いあるまい。

 太田代表は昨年十月の代表就任の際、「お互い言うべきことは言わなければならない。公明党は時にリードする気概を持ちたい」と述べていた。

 連立政権の一翼を担っている以上、妥協が必要なときもあるだろうが、党是といえる「清潔」「平和」「福祉」について積極的な発言を抑えてしまい、安倍政権の後押しに終始したようにしか映らなかった。

 今後について、「問題が生じればチェック機能を働かせ、踏むべきブレーキをしっかり踏む」(太田代表)と強調している。が、首相にその言葉が届くかどうか疑問である。

 首相が政権継続の理由とした「安倍内閣の(改革促進の)基本路線は国民の理解を得ている」ということ自体、「生活者」と「格差」の問題に軸足を置く公明党のスタンスとは大きく隔たっているからだ。

 保守イデオロギーを前面に打ち出す首相の政治姿勢と公明党との違いは明らかであり、その点をどう踏まえていくのか。連立ありきの姿勢をあらため、「公明党らしさ」を発揮する道を支持者とともに模索することが、今、求められている。




沖縄タイムス

最新の画像もっと見る

コメントを投稿