小塩山を山号とする勝持寺は天台宗の古刹です。
寺伝によれば、679年に天武天皇の勅により役行者が創建し
791年に伝教大師(最澄)が桓武天皇の勅により再建したと
伝えられています。
現在の建物は、応仁の乱後の天正年間(1573年~1592年)に
再建されたもので、当時の面影が残るのは仁王門のみです。
(唯一、応仁の兵火を逃れた仁王門。寺最古の建造物です)
(仁王門から急斜面の参道を500mほど登ると南門が見えてきます)
(現在3代目の西行桜)
鳥羽上皇に仕えていた北面の武士・佐藤義清が、1140年に
ここで出家し、西行と名を改めて庵を結びました。
西行法師が自ら植えたといわれる八重桜「西行桜」があることから
「花の寺」として呼ばれるようになりました。
西行法師が出家の際に、この石を鏡の代わりに使い頭を剃ったと
伝えられています。この石の横には大原野神社にもある
「瀬和井」の泉があり、ふたつの名泉は同水系と考えられています。
境内には大原野の歌枕「冴野の沼」もあります。
平安時代から和歌の歌枕として題材に使われていた場所となっていたようです。
阿弥陀堂の左手には霊験あらたかな不動明王が安置されている
不動堂があります。諸病平癒のお不動様として信仰されています。
瑠璃光殿には、国指定の重要文化財で主に平安・鎌倉時代に作られた
貴重な仏像が一面に配置されています。
その中でも気迫ある左右の金剛力士像は見るものを圧倒します。
荘厳な雰囲気の中、静かな心でゆっくり鑑賞することができます。
境内には多くの桜が植えられ、桜の名所としてよく知られていますが
桜と同じ数ほどのもみじが自生し、例年11月中旬には紅葉の季節を迎え
これからの季節もおすすめです。
当時を偲びながら散策してみてはいかがでしょうか
公共交通案内
JR向日町駅・阪急東向日駅より阪急バス(南春日町行き)
終点「南春日町」下車 1.1km
京都市西京区大原野南春日町1194
TEL 075-331-0601
拝観料:400円