長岡京市観光協会のブログ

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長岡京市の民話・神の住む池

2015年05月27日 | 民話
神の住む池





八条宮智仁親王(はちじょうみやとしひとしんのう)は、長岡天満宮をとても

崇拝していました。この美しい神社を更に美しくする為に何かをしたいと考えて

いました。それで、息子の智忠親王(としただしんのう)が1638年に神社を

取り巻く池を造りました。村人たちはこの池を造った人に因んで、八条が池

(はちじょうがいけ)と呼ぶようになりました。池はやがで村人にとって神聖な

所となりました。その池に住んでいる鯉さえ特別なもので、誰も取ろうと

しませんでした。普通の魚よりも成長が早い神の魚だと思われていたからです。

でも、ある日、淀川の漁師が八条が池の魚の成長が早いと言う信じられない

話を聞きました。ところが、欲深いその漁師は誰にも見つからないように夜に

池に忍び込んで、魚を全部取ろうと決めました。池にやってきて、静かに堤を

壊して、水が抜けるのを待ちました。水かさが少なくなり、魚が池の底で

身動きができなくなってくると、漁師は大変興奮しました。やがて、

夜明け近くなって来ましたが、村人が起きるまでには魚を全部取れると

考えていました。ところが、遠くの橋の上で白い着物を着た人が立って

いるのが見えました。漁師は見つめられて、身動きが取れなくなりました。

すると、突然、大雨が降り始めて、池の水が元に戻り始めました。元の水量になった時、

雨は止み、漁師は動けるようになりました。でも、漁師の力は全て消え失せてしまい、

座って、池を見つめるのがやっとでしたと言う伝説です。
                         (長岡京市の昔話より)


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