らぷんつぇる**

日々のささいな出来事をつづったり
本や映画や食べ物の感想を載せてみたり
ひとりごとを言ってみたり。など。

『バッファロー’66』

2007年01月30日 00時46分16秒 | Movies
オススメ映画を見よう第3弾。
ほんとこんなの見てる場合じゃないって…と思いつつ半ば現実逃避気味。

*あらすじ*
ある事情から無実の罪で5年の間刑務所にいたビリー。
両親には仕事で遠くにいると嘘をついていたが、出所した日につい「妻を連れて帰る」と約束してしまう。
妻どころか彼女もいないビリーは、たまたま居合わせた女性・レイラを強引に誘拐し、自分の妻を演じるように脅す。
こうして両親の家にやってきたビリーとレイラだったが…。


う~ん、見ていて不快感はそんなにないんだけど…ラストは結構好きなんだけど。。。
でも
1.レイラの心の動きがよくわからない
2.ビリーを含めて出てくる人たち怒鳴りすぎ
3.ビリーのダメ男っぷり
のせいで感情移入できなかったです。
なんでレイラがそういう心境になっちゃうのか全然わからない。
ストックホルム症候群??
ビリーはな~個人的には好きなタイプじゃないけど、こういう「私が面倒を見てあげなきゃ!」ってタイプが好きな人もいるんだろうねえ。
ビリーが怒鳴るシーン多すぎだし、ビリーの親父に至ってはなんで怒鳴るのか意味不明なとこもあるし、、、ホント「落ち着いて落ち着いて」って言いたくなる。
冒頭のビリーがトイレを探すシーンから始まって全体が落ち着きのない感じだったな。
トイレを探すせっぱつまった気持ちがびんびん伝わってくるってのは名演技だけど。

関係ないけどレイラ役のクリスティーナ・リッチがなぜか最後まで安達祐実とかぶってました。私の中では。

特別好きな映画ではないけど、ラストは見ててハッピーになれる。
暗い終わり方じゃなくてよかった。ホッ。

*データ*
監督:ヴィンセント・ギャロ
出演:ヴィンセント・ギャロ(ビリー)、クリスティーナ・リッチ(レイラ)、アンジェリカ・ヒューストン
初公開年月:1999年7月
上映時間:118分
制作国:アメリカ

文化庁メディア芸術祭10周年企画展「日本の表現力」

2007年01月27日 23時47分44秒 | Exhibitions
六本木の国立新美術館に行って来ました。
国が作ったとは思えないくらいデザインに凝ったきれーな建物であった。
乃木坂駅と直結しているので建物の外観を見るのは後回しになったけど。
にしても大きい建物です…行きたい展示室に行くまでが遠い~。
いろんなとこにカフェがあったけど、どこも混んでいました。

さて、目当てはメディア芸術祭の企画展です。
去年恵比寿の写真美術館に見に行った時楽しかったので、今年も。
入場は無料でしたわ~い。
展示テーマは「日本の表現力」。
入ってすぐの所は「表現の源流」として江戸時代あたりの幻灯機とかからくり人形とか自在龍とか、明治のすごろくなんかが置いてありました。
やっぱり何度見ても弓引き童子とか、関節が動く金属製の自在龍はスゴイ。
やるな、職人!尊敬すべきクラフトマンシップ。

その奥は1950年代~2000年代の年代ごとのセクションになっていて、アート、アニメ、エンターテインメント、マンガの展示がありました。
時代を代表するアニメ(『鉄腕アトム』『銀河鉄道999』『AKIRA』など)やCM(「文明堂のカステラ」「バザールでござーる」「伊右衛門」など)が流されていたり、一世を風靡したおもちゃやゲームが置いてあったり。
'50年代のものはちょっと斬新に見えたし、'80年代'90年代は懐かしかったりして、いろんな世代が楽しめる展示だったと思います。
お父さん・お母さんにとっては、子供に自分が小さかった頃の話ができるよいきっかけになるんじゃないかな。

さらに展示は「未来への可能性」(メディア芸術祭受賞者や新進気鋭のアーティストによる作品の展示)に。
「クイーン・マンマ」というでっかいオブジェ(?)の中が更衣室になっていたり(実際にイッセイ・ミヤケのイベントで使われた)、物体を触るとその影が勝手に動き出したり、電球がつくと花びらが開くようにひろがる電灯の笠とか、最新の技術を駆使した作品や斬新なアイデアの結晶みたいな作品が見られて面白かったです。
そもそもこういう展示が見たくて出かけたのですが、思ったより作品数が少なかったなー。
…と思ったらメディア芸術祭の作品展はこれとは別に写真美術館でやるらしい。
こっちも入場無料だし、去年の展示が良かったので期待大!


*information*
会期:2007年1月21日~2月4日(30日は休館)
開館時間:10:00~18:00、金曜日は10:00~20:00
会場:国立新美術館2階 展示室2A、2B
入場料:無料
主催:文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁・CG-ARTS協会)、国立新美術館
公式ホームページ:文化庁メディア芸術祭10周年企画展 日本の表現力

写真美術館での受賞作品展は2007年2月24日~3月4日に開催されます

『マルホランド・ドライブ』

2007年01月26日 19時54分18秒 | Movies
人がオススメする映画を見よう企画第2弾。
…人がオススメする映画=名作とは限らないことを踏まえて、企画名変更。
今回はおすすめされてなかったら多分借りてまで見ないだろう映画を鑑賞。
『マルホランド・ドライブ』、当然予備知識なしにて。

*あらすじ*
眼下にハリウッドを一望できるドライブウェイ、マルホランド・ドライブ。
深夜にマルホランド・ドライブで起こった車の衝突事故。
ただひとり助かった黒髪の女性は怪我を負いながらもなんとかハリウッドの街にたどり着く。
隙を見て留守宅に忍び込んだ彼女は、そこで住人の姪ベティに見つかってしまう。
そこは大女優ルースの家で、撮影で留守にする間女優志望のベティが使っていいことになっていたのだ。
記憶を失っていた彼女はとっさにリタと名乗り、ベティはおばの友人だと思いこむが、すぐにリタの嘘はばれてしまう。
リタの正体を明かす鍵は持っていたバッグだけ。
中には札束と青い鍵が入っていた。
ベティは同情と好奇心からリタの手助けを申し出るが…。


「わけわからない」映画だってコメントは見かけていたけど、ホントにわけわかんなかったぞ!!
見終わって「どうしよう…全然わからんかった」って悲しい思いをしたのは『ソードフィッシュ』に次いでこれが2度目。
キャッチコピーの「わたしのあたまはどうかしている」って、ほんとにどうかしてるよオイ!
リタとベティは何か因縁があるんだろうなーっていうのはかなり初めの方で考えたけど、つながりのない映像やら何を意味しているのかわからないシーンがありすぎて混乱!
もやもや~としてたらネットで解説を見つけてしまった。
種明かし(しかも一観客が書いたやつ)見るのはルール違反だろ~と思いつつもいっくり読んでしまった。
読み終わってすっきり。
そういうことか…。
そして何気にハリウッドの夢と現実を描いている映画だったのね。
それを理解するともう一度見たくなるし、結構見応えのある映画かな…と思う…けど万人向けではない。
そもそも全ての人に分かってもらおうとなんて作り手がちっとも考えてないのがありありとわかる。
この監督の映画は基本的にこうらしい。
ミステリー好きにはおすすめします。
そしてうっかり見て悶々としてしまった人は解毒剤の服用(要するに解読ページの参照)をおすすめします。


*データ*
監督:デヴィッド・リンチ
出演:ナオミ・ワッツ、ローラ・エレナ・ハリング、アン・ミラー、ジャスティン・セロー
初公開年月:2002年2月
上映時間:146分
制作国:アメリカ
お世話になった解毒剤的完全解読サイト:マルホランド・ドライブ完全解読編


『マグノリア』

2007年01月25日 22時19分46秒 | Movies
とりあえず「名作」といわれる映画は今のうちに一通り見ておこうという計画。
『マグノリア』が名作かどうかはわからないけど、よくオススメされているので借りてみた。

*あらすじ*
死の床にある大物プロデューサー、神経をやんでいる妻、病人に頼まれて息子を探す看護士、♂教のカリスマ伝道師、余命いくばくの人気TV司会者、その娘と妻、信心深い警官、クイズ番組に出演する天才少年、過去の栄光が忘れられない元天才少年のダメ男なと、さまざまな人々の24時間を描いた群像劇。
その日の夜に起こったこと、それはちょっとした「ありえない」事件…「しかし、それは起こった」。


オススメされているのも納得できる映画です。
私は結構好き。かな。
ただえらく長い
3時間だよ!
ヒマでどうしようもない時に見るべきです。

この映画のテーマは「しかし、それは起こった」。
ありそうにないことでも、ほんの少しでも起きる可能性がある事は現実になることもあるんだ、っていうのがベースみたい。
登場人物の人生がいろいろなところでふっと交差していく。
出会いそうにもない人同士があるきっかけで偶然関わり合いになる。
そういう不思議さの集大成であるかのように最後の「事件」が起きる。
正直このシーンビックリした。いきなり思考回路をぶったぎられた感じ。
なんにも前知識がなかったから、ひぃ!って思ったよ!
どうやって撮ったんだー。

いろんな人の人生が交錯していく、とは言っても軸になるのはとあるクイズ番組。
だから途中まで「え、この人たちと他の人たちはどこでつながっているの??」って思ってた。
希望を言うならもうちょっと複雑にからんで欲しかったなー。
時間が長いわりに心の動きがさっぱりわからない人もいたし…。
出てくる人の中ではクイズ番組に出演する天才少年が好きですね。
トム・クルーズは…なんかすごいことを説いている。

*データ*
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:トム・クルーズ、ジェレミー・ブラックマン、メリンダ・ディロン、フィリップ・ベイカー・ホール
初公開年月:2000年2月
上映時間:187分
制作国:アメリカ

つくば植物園

2007年01月21日 23時30分33秒 | きょうのできごと
つくば植物園に行って来ました!
目当ては熱帯植物たちのいる温室…
提携している大学の学生ならタダで入れるので、今回はとりあえず温室だけ見てきた。

いやー、やっぱ温室はいいわ。
何がいいって、お金と時間がなくても熱帯に旅行に行った気分になれるもん。
さらに冬だと外の寒気から現実逃避できて一石二鳥。
そしてありえない植物に癒されるのだ。
にしてもすごい湿度。
入ったとたん持ってたデジカメがモイスチャーに。

ふう、地味に楽しかった。
やっぱり熱帯はありえん。
変な植物がいっぱいいるよ。
バナナですら、もう何度も見てるけど、やっぱり変だよ。
家にあるバナナが異質な物に見えてくるよ。
植物園ですらこうなんだから、動物もわんさかいる実際の熱帯雨林はもっと奇想天外な場所なんだろうな。
すごいエネルギーを感じる。
地球ってすごい。

熱帯山地のエリアに準備室があって、そこにたくさんの苗が置いてあった。
なんだか素敵な雰囲気だった。
ナウシカの実験室みたい。
こんなところで仕事するのってなんか羨ましい。
植物をすぐ枯らしてしまう自分にはありえないけど。
…それにしてもすごい湿気!!

せっかく近くにあるんだから、精神的ダメージをくらったら癒されに行こうと思う。

『トランスアメリカ』

2007年01月18日 01時57分29秒 | Movies
こないだ(というか1週間以上前)実家に帰った時に名画座に見に行った映画。
予備知識もなく、ゲイが出てくる映画だとしか聞いていなかった。
ちょっとキワモノなのかなーと思ってあまり期待してなかったけど、なかなか楽しめました。

*あらすじ*
性同一性障害に悩み、LAでひっそり暮らしてきたブリー。
長年の夢であった完全な「女性」になるための手術を受ける許可が下りそうになったちょうどその時、NYの拘置所から電話がかかってきた。
なんとブリーには、まだ男性であった頃にもうけた17歳になる息子がいたのである。
この問題が片づかないうちは手術の許可を出せないとカウンセラーに告げられたブリーは、息子・トビーの身元引受人となるべくNYに向かう。
しかし息子に父親であると言い出せずに、教会から来たのだと嘘をついてしまう。
一方トビーはまだ見ぬ父親に理想と夢を託していた。
NYを出て俳優として一旗あげたいと言うトビー。
すさんだ生活から足を洗わせるため、ブリーはトビーとともにアメリカ横断の旅に出るのだった。


なにが面白かったって、なんと言ってもブリーです。
女性らしくあろうと必死なんだけど、レストランで子供に見抜かれて傷ついたり、それなのに当の息子は気がつかないし、さらには明らかに好意をよせてくる男性がいたり、なんだか健気にがんばっています。
後半ではふとした仕草が可愛いと思えてきてしまう。
驚いたのは、ブリー役を女優さんがやっていたこと。
女装しているようにしか見えないよー!
恐るべしフェリシティ・ハフマン。
そりゃあゴールデン・グローブ賞もらえるよ!!

トビー少年はとっても多感な時期に父親ととんでもない出会い方をしてしまったわけだけど。
この映画は笑えるところが多いけど、トビーの身になってみれば笑えないよなー。
ブリーが男性ってことでショックを受けて、さらに父親だってことも判明して、そりゃあまともに顔見られないって。

思いの外「かわいい」映画でした。
ゲイとかトランスセクシャルってよく映画の題材になるけど、あえて選ぼうとは思わない人も多いはず。
この映画はそこまでキワモノじゃなくて見やすい。感動…はしなかったけど…。
こういうシチュエーションは現実ではありえないけども、「ありえねぇ~」と笑いながら見るのが楽しいと思う。
疲れている時の気分転換にどうぞ。

*データ*
監督:ダンカン・タッカー
出演:フェリシティ・ハフマン(ブリー)、ケヴィン・ゼガーズ(トビー)、フィオヌラ・フラナガン
初公開年月:2006年7月
上映時間:103分
制作国:アメリカ
公式サイト:トランスアメリカ/ TRANSAMERICA

シバカリに行くじいさんの謎

2007年01月18日 01時16分40秒 | らぷ的自由研究
どうでもいいけれども、「桃太郎」のおじいさんは冒頭で山にしば刈りに、おばあさんは川に洗濯に行きますよね。
洗濯はともかく、シバカリって何しにいってるんじゃ?と思ったので調べてみました。

「シバ」は「芝」でなく「柴」。
燃料に使う小枝なんかを集めることを「柴刈り」と言うんだそうです。
たしかに、おじいさんが「芝生」を刈っても仕方ないよねえ。
ゴルフ場のバイトじゃあるまいし…。
でもずっと「しば」は青々とした草を刈っているんだと思っていました。

広辞苑によると、
芝(しば):イネ科の多年草。路傍・原野のいたる所に自生。(略)広義には、一年生のセイヨウシバ(ローン)、コウライシバなどの総称。野芝。地芝。
柴(しば):山野に生える小さい雑木。また、それを折って薪や垣にするもの。そだ。しばき。ふし。
明確に違うんですねえ。


さらにどうでもいいけど、「金太郎」の話の中で金太郎は熊にまたがって乗馬の練習をしていますが(歌にも♪くーまにまーたがりおーうまのけいこ♪とある)、どう考えても馬に乗るより熊に乗る方が難易度高いんだから熊に乗りながらお馬の稽古はおかしいんじゃないか??
相撲に負けたからとはいえ熊のプライドはズタズタだと思われます。
かわいそう…。

『かもめ食堂』

2007年01月16日 00時36分14秒 | Movies
これも、地下鉄の駅で広告を見てから気になってた映画。
きっとまったりしているに違いない。と予想。
癒されるかなあ?

*あらすじ*
フィンランド・ヘルシンキにある「かもめ食堂」はおにぎりがメインメニューの和食のお店。
日本人のサチエさんがひとりできりもりしている…とはいいながらも、店に来るのは日本マニアの青年・トンミだけ。
ひょんなことから知り合い店を手伝うようになったミドリさんは、そんなお店が心配でたまらない。
いっぽうのサチエさんは「おいしいものはいつかフィンランドの人にもわかってもらえる、ダメならダメで仕方がない」といたってマイペース。
そのうちにスーツケースが行方不明になってしまったマサコさんも店のメンバーに加わり、かもめ食堂はゆっくりと変わっていくのだった。


予想どおり、まったり映画でした。
これといって大きな事件は起こらないし、まあ日常ってそんなものだけど、悪い意味ではなく心地よいくらいの退屈さを感じる。
夜中に見たら寝ちゃいそうかも。

フィンランドってあまり親近感ないし、未知の世界のイメージがあるけど、そんな「未知の世界」にも日常はあるんだよ~ってごくあたりまえのことをさりげな~く語っている感じ。
夏は白夜になる北の国にどういうわけか日本人が住んでて、しかもおにぎりのお店を開いているっていう異質ささえ、よく考えれば不自然なくらいまったり溶け込んでいる。
サチエさんの出すお料理も、和食なんだけど、北欧風のおしゃれさがプラスされてて、あまり日本臭を感じないし。
なんていうか、北欧家具とか雑貨に憧れる日本人が夢見るような暮らし&お店の物語なのです。
その分リアリティはないけども。映画にリアリティは必要じゃないね…。
この映画をみて現代和風と北欧風って意外と相性いいのかも?と思った。
小林聡美がなかなか素敵。
こんな日本人と旅先で出会えたら幸せだな。

これも予想どおりだったけど、これは明らかにストーリー性よりも雰囲気を楽しむ映画。
眠くない時にどうぞ。
何となく「朝」のイメージがある映画でした。

*データ*
監督:荻上直子
出演:小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ
初公開年月:2006年3月
上映時間:102分
制作国:日本
公式サイト:かもめ食堂

『王妃の離婚』

2007年01月15日 01時57分04秒 | Books
第121回直木賞受賞作。
今まで直木賞受賞作ってあまり好みではなかったけど、(といいつつそんなに読んでないけど、)これは結構面白かったー。

*あらすじ*
15世紀末のフランス。
先王シャルル8世の崩御により、オルレアン公であったルイ12世が王位についた。
彼がまず着手したのは、暴君として知られた先々王ルイ11世の娘であるジャンヌ・ドゥ・フランスとの離婚であった。
ルイ12世にとってこの醜い妻との離婚は、ブルターニュの女公主アンヌ・ドゥ・ブルターニュと再婚しブルターニュ地方を獲得する上で重要な政治的意味も持っていた。
絶対的な権力により離婚裁判を押し進めるルイ12世側。
一方ジャンヌ王妃側は、弁護団は国王の権力におびえきった上に証人は国王側に寝返り、まともな弁護もままならない始末。
裁判の行く末は見え透いていた。
かつて輝かしい未来をルイ11世によって奪われたナントの弁護士フランソワ・ヴェトゥーラスは、この裁判で暴君の娘である王妃が裁かれる様子を傍聴席から冷ややかに見守っていた。
しかし、かつての恋人に導かれるかのように、彼は王妃の弁護士として裁判の渦中に巻き込まれていく…。


見どころは、
カルチェ・ラタンの学生生活のはじけっぷり(僧なのにい。)と
ルイ12世のダメ男っぷりと
フランソワの手腕…かな。

遺伝学の知識がなかったこの時代になぜ近親婚がタブーとされたのかの理由が知りたい人は読んでみてください。
このくだりで結構受けました。そんな理由かよ!って。
ヨーロッパの王族なんてほとんど親戚同士だったはずなのにねえ。
にしても裁判で参考になる最も重要な書物が「六法全書」じゃなくて「聖書」だとこんな裁判になってしまうのか。
結婚に関してまでここまで書いてある聖書ってある意味すごいな。
ちょっとグダグダだったフランソワが復活してからはやるな~の一言です。策略家。

王妃が美人じゃない一方でルイ12世は美男子って設定がほろ苦くてなかなか読ませます。
でもルイはダメ男.
ハハ。

*データ*
著者:佐藤賢一
出版社:集英社
定価:1900円(税抜、ハードカバー)