らぷんつぇる**

日々のささいな出来事をつづったり
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ひとりごとを言ってみたり。など。

「瀬戸内国際芸術祭」

2010年08月16日 00時42分05秒 | Travel
ちょっとはやめのお盆休みをとって(なぜならお盆は引っ越しだから…)、瀬戸内の島々に行ってきました。
今、高松・小豆島・直島あたりの島で「瀬戸内国際芸術祭」をやっているのです。
同行者は妹。

初日(8/9)
大阪から新幹線で岡山→電車乗り換えて宇野へ。
ここにはいもうとの見たい作品「宇野のチヌ」がいるんです。
廃棄物でつくられた巨大な魚なんだけど、廃棄物が色ごとにまとめられていて、虹色の魚になってるんです!


とってもカラフル。

本当はここからフェリーで直島に渡る予定だったのが、月曜日は直島のほとんどの施設がお休みということで、急遽高松経由で女木島へ。
女木島は「鬼が島」として有名な島で、鬼のすみかといわれている大洞窟があるんです。
ここは夏でもひんやりしていてきもちよかった。


眺めも最高!

観光後、きびだんご(一皿100円)を食べてバスで港に戻り、作品を鑑賞。
「カモメの駐車場」、可愛かった。


こんなかもめちゃんが港のあちこちに。ちなみに男木島ではリアル「カモメの駐車場」が見られます(笑)

ここから男木島に行くことを計画するも、時間的にいっぱいいっぱいだったのと、男木島のみたい場所が臨時休業だったため、断念。


2日目(8/10)
朝いちで男木島へ。
「カラクリン」の可愛さに感動する。
逆光で写真がうまくとれなかったけど。


うーん、逆行で影しか見えない…。

こっちは役場前にいたカラクリン。

男木島は急な勾配の土地にたくさんの家が密集して集落を形成しているところ。
島のあちこちにある作品は徒歩で全部見て回れるけど、まるで迷路のよう!
すれ違う島のひとたちが挨拶してくれるのがなんかうれしい。
この島にはたくさんの展示があったのだけど、船の時間が迫っていて全部は見られなかった。残念。


坂の多い男木島で多用されてきた手押し車「オンバ」。ここは、たのしくデコレーションしたオンバを制作・展示している「オンバファクトリー」。


壁一面に貼られているのは「死亡事故・殺人事件の記事」とそれをもとに様々な人がかきおこしたイラスト。いろいろと考えさせられる。


竹で作られた楽器、ほんとに可愛い音がするんです!コロコロ~♪って

ぎりぎりまで作品を見て、慌てて直島までの高速船のチケットを買いに行くも、売り場の人がいない!
目の前の芸術祭インフォメーションの人に聞いても、「さっきからいないんですよね~」とのんびりした返事。
こっちは急いでいるのに!!
いっそ乗り場で売ってもらうか…と走りかけたとき、おばちゃんが戻ってきた。こらこら。

お昼頃に直島に到着。
直島、すごい人!!
もともとアートな観光地としては有名なところだし、シーズンでもあるわけだけど、芸術祭の影響も大きいのかも。
ここのメイン、「地中美術館」、すでに整理券もらわないとチケットすら買えないことになっていることを知り、予定変更してチケット買うためにバスに乗る。
バスも激混み。

15時からの整理券を手に入れ、それまで他の場所を観光することにする。
地中美術館、結構不便なところにあるんですよね…。
バスで行くんだけど、途中までは島が運営している100円バスで、そこから無料のシャトルバスに乗り換えて行かなきゃいけなくて。
というわけで、ここから他の観光地に移動するのも…不便。
しかも移動した先でお昼を食べようとしても、どこも満席で、かなりの人数が待っている状態。はあ。
移動手段としてのレンタルの自転車もほぼ出払っていました。。。


直島名物巨大カボチャ。


カボチャに群がる人々「アリみたい」 撮影 by 妹


「カボチャつまんでみた」 撮影 by 妹 彼女は旅行中そんなことばかりやっていた。

さて、お昼をなんとか口にして、地中美術館へ。
ここは安藤忠雄の設計なんですが…、なんと建物全体が地下にあって、地上からは見えないのです。
入り口も、ただコンクリートの壁がひとつあるようにしか見えない。
残念ながら写真撮影は禁止…。
ここはたった3人の芸術家の作品を展示するためだけの施設で、妹の言葉を借りれば
「建物もここまで凝っていると、それ自体が作品になることがよくわかった」
うん、そんな感じの美術館。

地中美術館を見た後はシャトルバスでベネッセミュージアムへ。
ここも、現代美術の殿堂みたいなとこ。
ひなたぼっこできる巨大な岩(というか彫刻だけど)があったり、色のついた砂でいろんな国の国旗が作られていて、そこにありんこが巣を作っていたり、なかなか面白かった。

バスを待つのがだるいので、歩いて港まで行くことに。
バスが通る道とは違うところを歩いて(バスは遠回り)、港まで20分くらい。
でも、何も日差しを遮るものがなくて、ただただ暑かった。

そして、直島の銭湯「I ♡ 湯」へ。
なかなかド派手な銭湯で、男女間のしきりの上に巨大な象がいたりとか(笑)
ここも、女湯は並んでました…。
あと、シャンプーやせっけんのたぐいは何もついていないので、持って行くか買うかしないといけません(涙)


当たり前だけど、中は撮影禁止なもので、外観のみ。でも、派手。

19時25分発の最終の高松行き高速船に乗ったのだけど、これがまた混んでいて。
ほんとうは高速船の定員以上はチケットを売らないんだけど、芸術祭の期間中は船に乗り放題の券も売っているので、この2パターンの人たちが乗り場に行列。
結局臨時便が来て、たぶん全員乗れたはず…。
にしても人多すぎ。


3日目(8/11)
この日は朝からうどんを食し、小豆島へ。
小豆島にも作品があるんです。

意外にもフェリーの着く港はあまり栄えてない。
作品の多くは山の方にあるっぽい。
ちゃりを借りてそこまでいこう、ということになったけど、レンタル自転車のとこのおばちゃんに止められる。
「そんなとこあんたらの足じゃ無理だわ!あんたら死ぬで!」
…でも行っちゃう。


小豆島には世界最狭の海峡があるんですよ~。

思ったより道きつくないよね~とかいいながら、やっと最初の作品のある小学校付近へ。


瀬戸内海に流れ込む川の流域から集めた土・土・土…赤、黄色、青(!)、緑(!!)ほんとに多種多様。

が、このあとの道がきつかった。。。
ずーーーーーーっと上りで。
途中で何度も止まって水分補給。
やっと上まで来たら、棚田の綺麗な眺めが!!


絶景の棚田のむこうに作品が!

やったー、下り!と調子に乗って狭い道をちゃりで駆け下りたら、作品2つ通り過ぎてしまった。。。
そのあとのちゃり旅行はとても快適で(道は舗装されてないとこもあったけど)、行き苦労した分だけ帰りはらくちん。


遠くから見るとただの網なんだけど、近づいてみるとひとつひとつが人間(笑)

あまりにも汗をかきまくったので、海に!!
海水浴だ!
大人だから金に糸目を付けずうきわも借りちゃう!
はー、、、気持ちよかった…。。。。
ただたゆたってただけだけど。。

小豆島の観光地のひとつ、エンジェルロードは、引き潮のときだけ現れる道。
ここを渡って向かいの島まで歩けるのです。
エンジェルロードを、大切な人と手をつないで歩くと願いが叶う、とのことで、妹と手をつないで渡ってみました。
(いやがってたけど)
うん、なんかレズっぽくて微妙だった。
ほっそい道かと思っていたけど、意外にかなりの幅で、びっくりした。
向かいの島に渡って散策したら、そろそろちゃりを返す時間。
自転車飛ばして山越えし、港に戻る。
夕食を食べようと思っていたお店が水曜定休であせる。
ほんとに港の周り店ないなーー。
近所のホテルのレストランに行くことに。
そういえば、妹の誕生日なんでした。

泊まった宿が割と安いビジネスホテルだったのに、風呂・トイレ別だったり、チェックイン後に冷たい麦茶を持ってきてくれたり、かなり快適でした。


4日目(8/12)
今日でいよいよ旅も終わり。
どこを巡るか検討した結果、小豆島のおとなり、豊島(てしま)に。
ここにもたくさん芸術祭の作品があるんですよー。
きのうのちゃりがなかなかハードだったので、今回はバス頼み。
でもやっぱり、バスだと来てほしいときに来てくれなくて。。。
待ち時間が長い割に、最後の港で時間がなく、お昼もそこそこに島を後に…。

予定を変更したために、帰りは高松から電車で瀬戸大橋を渡る予定が、帰りも宇野経由になりました。
瀬戸大橋、行ってみたかったんだけど。
でも、宇野駅の近くに何人かの作家さんが共同で使っている公開アトリエがあって、そこを見学できたのでよかったかな。
発泡スチロールでいろんな動物が作られていたり、展示スペースがあったり、面白い椅子が置いてあったり、電車の時間待ちには最適!
宇野って、港があるわりにはあまり栄えていないのが不思議。

こんな感じの休暇でした。
引っ越しのためしばらくネットからはなれます。
そのうち写真アップします!
ではー。

あっ、芸術祭参加する人は公式ガイドブック(1260円)買った方がいいですよ!
船やバスの時刻表・運行図もついていて便利だし、島の歴史や芸術家のインタビューなんかも載っていて、読み物としても楽しめます!








「”これも自分と認めざるをえない”展」

2010年08月05日 01時04分45秒 | Exhibitions
ピタゴラスイッチ大好き、佐藤雅彦大好き、
というわけで行ってきましたこの企画展。
佐藤雅彦ディレクション・”これも自分と認めざるをえない”展。

へんな名前の展示で、「なんのこっちゃ?」と思うかもしれませんが、
英語表記では"The Difinition of Self"、
もっとシンプルに言うならば「属性」についての展示なのです。

属性とは、一般にあるものに共通して備わっているとされる性質や特徴のこと。
逆に言えば、それを失ってしまったらそのものを特定することができなくなる性質や特徴を指しています。
こう言い換えるとなんか怖いね。。。

この会場に入るとすぐ、なぞの個室があります。
ここで入場者は「なまえ」「身長」「体重」「虹彩データ」「空中に☆印を描いたときのデータ」を登録します。(もちろん嫌な人はしなくてもOK。)

で、階段を降りて展示スペースへ。
まず目にするのは白い大きなパネル。
これを見ると、なにやら黒い楕円形のものがオタマジャクシのようにうごめいています。。。
なんと、これは「指紋」。
指を読み取り機におしつけると自分の指紋がこの画面に現れ、おしり(?)をふりふりしながら泳ぎだすのです!
しかももう一度指を読み取り機にあてると、さっき泳いでいった自分の指紋が大急ぎで戻ってくるんです!
かわいいでしょ。

ほかにも、
・自分の虹彩データをどこまで破壊したら自分ではなくなるか
・ある法則に従って分類されてみる
・「身長」「体重」「☆の描き方」で個人を特定してみる
・「輪郭」の測定
などなど、ふだんあまり意識しないような「属性」を意識させる観客参加型の展示が盛りだくさん。
何を感じるかは自分次第。

自分にとって「自分」は圧倒的なまでに「自分」だけど、
たとえばコンピュータに自分に関するデータの一部を入力したら
○○さん、あるいは××さん、あるいは…と複数の候補が出てきたりする。
自分という存在一部の要素しか提示されなければコンピュータにとっては「あるいは」がつけられるような存在でしかないのか、と認識する瞬間。

だれでも何度かは「もし自分が…だったら」って考えたことがあるはず。
たとえば「もし男(あるいは女)だったら」「もしほかの家族のもとに生まれていたら」「もしもっと美人だったら」etc…
そう空想を巡らせながら「では、そういう状況だった場合、それでも自分なのか??」と思い至るはず。
もし、そこが違っていたとしても「自分」であるなら、それは自分を構成する重要な要素ではない…??

自分を規定する最も重要な属性のひとつとして、この展示では「過去の記憶」をとりあげています。
もし過去の記憶がべつのものにすげ替えられたら??

あなたにとって自分を決定づける最重要の「属性」とは何でしょうか?

ところで指紋オタマジャクシですが、指紋を取り込ませてほっておいて、展示を見終わったときにもういちど指を読み取り機にあてると、さっき読み込ませた指紋がちゃんと戻ってきます。
時間差があっても、間に他の人が入っても、戻ってきます。
遠くはなれたところから一生懸命泳いでくる指紋はとても愛らしいので、ぜひ体験してみて!


*information*
会場:21_21 DESIGN SIGHT(東京ミッドタウン内)
会期:2010年7月16日(金)~11月3日(水) 火曜日休館、ただし11/2は開館。
開場時間:11:00~20:00(入場は19:30まで)
入場料:一般1000円
公式HP:”これも自分と認めざるを得ない”展