らぷんつぇる**

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『えーえんとくちから』笹井宏之作品集

2011年04月13日 22時08分17秒 | Books
はるですね。

3月はすっかりご無沙汰してしまったので、春になってから初めての投稿です。

今日紹介するのは詩集です~。
詩って、べつに自分で作ったりするわけでもないし、谷川俊太郎さんはすごいと思っててうっかり分厚い詩集買っちゃったことも過去にはあるけど、自分にとっては普段関わり合いのないジャンルです。
でも以前新聞で取り上げられてて、今日の新聞にもレビューが載ってたので、便乗して取り上げます。詩というか、短歌だけど。

初めてタイトル見たときは「永遠と口から」だと思って、
「えーえんとくちから えーえんとくちから」
ってなんか気持ち悪いと思ったんだけど、最後まで読むと、なるほどそう読むのか、と軽くショック。

えーえんとくちから えーえんとくちから 永遠解く力を下さい


んで、この短歌見たときに、なんとなく
知的障害のある方なのかな…??と思ってしまったのです。
失礼なのかもしれないけど、異様なまでの透明感を感じたので。
そうではなかったけど、自律神経失調症や抑鬱状態など結構たいへんな療養生活を送ってた方なんですね。。
しかもすでに亡くなってしまってる!!

個人的には表題の短歌はあまりすきではなかったのですが、
本屋でページを繰ってみて即買いしました。

すきなのはいろいろあるのですが、


公園でひたすら脱臼しあってる恋人たちに降れよ 星とか


この森で軍手を売って暮らしたい まちがえて図書館を建てたい

このあたりは言葉の使い方が面白い。
私もまちがえて図書館とか建てたい。

暖かい電球を持つ(ひかってたひかってました)わかっています

かっこの使い方がうまいんですよね。
ほんとに。

どうしても声のかわりに鹿が出る あぶないっていうだけであぶない

音速はたいへんでしょう 音速でわざわざありがとう、断末魔


想像するとなんだかものすごかったり、最後の5文字でそうきたか、と驚かされたり。


もうそろそろ私が屋根であることに気づいて傘をたたんでほしい


いまんとこのぴかいちはこれでしょうか。
究極の恋愛歌だと思います。
はじめてクリムトの「接吻」をみたときと同じような感覚が。

せっかくブログのカテゴリに「Poems」があるので、そこでまた紹介するかもです。

*データ*
著者:笹井宏之
監修:筒井孝司
出版社:PARCO出版
定価:1600円(税別)
ISBN:978-4-89194-840-5