らぷんつぇる**

日々のささいな出来事をつづったり
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ひとりごとを言ってみたり。など。

『医学のたまご』

2008年12月13日 00時34分35秒 | Books
けっこう面白かった!
これ、なんだか人気の本っぽくて図書館の予約待ちが長かったです。
著者は『チーム・バチスタの栄光』の海堂尊。

*あらすじ*
曾根崎薫はごくフツーの中学1年生。
両親の離婚により、今の家族はパパだけ。
そのパパも、ゲーム理論の第一人者として多忙な日々を送っており、1年の半分はアメリカにいる。

そんな薫が、全国の中学生に行われた「潜在能力テスト」で1位になってしまう。
実はそのテストを作ったのはパパで、薫は試験台として事前に同じ問題を解いていたのだけれど、誰が作ったかということは超極秘事項だったため、薫は日本一の天才少年として東城大学医学部で研究を行う機会を与えられることに。

藤田教授率いる総合解剖学研究室に配属された薫は、いきなり分厚い本10冊を渡され、勉強するように言われて辟易。
なにもかもチンプンカンプンな薫は、医学部を目指して猛勉強中の医学オタク・三田村優一、そして学級委員の進藤美智子に助けを求める。
そんな研究生活の中、薫は助手の桃倉とともに行った実験で大発見をする。
舞い上がる教授はネイチャーに投稿しようと急ぐのだが…。


中学生がいきなり医学研究始めるとかありえない設定だし、ここまであらすじ書くと話の流れも予想できる感じなんだけど。
そして、読む前はもっと淡々と研究生活を描いている本だと思っていたんだけど。
何が面白かったかというと、ところどころに出てくる「研究の雰囲気」とか部外者じゃわからない「素朴な疑問」とか、研究者に憧れる高校生やこれから研究室に入る大学1~3年生には参考になりそうなことが物語形式に書かれているところ。
解剖学教室なのに、解剖してないの??とか、インパクトファクターって何?とか。
フィクションなので、出てくる人間のキャラクターがやたら誇張されているけど。
教授あくどすぎです。
三田村君と美智子さんできすぎです。
スーパー高校生佐々木さんかっこよすぎです。

ところどころにでてくるパパの名言がなかなか素敵。
『チーム・バチスタ~』の作者だから、教授の悪事を糾弾するシーンは鮮やか。
…でもなぁ…教授は確かに汚いけど、パパの作ったテストで1位になってそれについては最後まで口をつぐんでいる薫もけっこう汚いぞ!
そのへん納得いかないわぁ。

そうそう、東城大学って『チーム・バチスタ~』の舞台でもあるんですよ。
病院棟最上階のレストラン「満天」もでてくるし。
ほかの作品ともリンクしているみたいなので、チェックしたら面白いのかも。

*データ*
著者:海堂尊
出版社:理論社
定価:1300円(税別)
ISBN:978-4-652-08620-9

「石田徹也 -僕たちの自画像-展

2008年12月07日 22時31分36秒 | Exhibitions
昨日は、初めて練馬区立美術館に行って来ました。
西武池袋線の中村橋が最寄り駅。
練馬とか板橋って、商店街がわりと元気ある気がする。
純然たる住宅街だからかなぁ。

さて、今回の展示は石田徹也の-僕たちの自画像-展、です。
石田徹也は以前NHKの新日曜美術館で取り上げられていて、それで知ったのですが、そのあとヴィレッジヴァンガードでも作品集が売られているのを見かけて、じわじわ知名度が上がっている画家さんです。
残念ながら2005年に若くして亡くなってしまったのですが…。

彼の描く絵はかなーり病んでいるような雰囲気です。
発想はすごく面白いけど、くすっと笑えるというよりかは、あぁ…ってな感じです。
エネルギーを吸われます。
見てて気分の良い絵ではないのに、引きつけられてしまうんだよねぇ。
人が洗面台と一体化していて、そこに三葉虫みたいなのがつかっていたり(「体液」)、鉄道模型と人が一体化していたり(「捜索」)、とにかく人が人でなくなりつつあるようなものが多い。
しかも、みんな無表情。
そして、みんな同じ顔。なんとなく石田徹也に似てる。
世の中の「型にはめる」風潮を批判するように見えるものが多いです。
これから社会に出る自分にとっては結構どよ~んな気持にさせられてしまうような。
先に就職した人々の疲れた表情を見たり、ぐちを聞いたりした後でこんな絵を見ると内定ブルーに拍車がかかりますね。
モラトリアムも秒読みなわけだし。
外国人が彼の絵見たら「日本やべっ」って思うかも。はは。
「カローシ」は世界共通語ですからね!!

意外と大きな作品が多くて、細かいところじっくり見られたのがよかったです。
参考書とか、マークシートとか、すっごいリアル。
美術館もこじんまりとしていて、上野みたいに人がうんざりするくらいいるような感じではないので、落ち着いた雰囲気だったし。

今回気になった絵は、タイトル忘れてしまったけど、消防士と子供2人がはしご車のゴンドラらしきところから見ている人の方に向かって手を差し伸べている絵。
たぶん、見ている人が救助される人っていう位置づけになるんだろうけど、このゴンドラが宙に浮いていて不安定に見える上に、助けてくれるはずの消防士の不安そうな顔!そして、内股!
救助がきて安心なはずのシーンなのに、余計不安をかき立てられる絵でした…。

企画展の図録も売られていたのですが、好評らしく売り切れでした。
12月中頃にまた販売するそうなので、欲しい人は要チェックです。
人気なんだなー!

*information*
会期;2008年11月9日(日)~12月28日(日)
会場:練馬区立美術館
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日(12月24日は開館、翌日休館)
観覧料:一般 500円、高・大学生&65~74歳 300円 中学生以下&75歳以上 無料
HP:練馬区立美術館・展覧会ごあんない 石田徹也展

『反米大陸 ー中南米がアメリカにつきつけるNO!』

2008年12月05日 00時31分46秒 | Books
アフリカの次は、南米にワープ。
南米はアメリカの裏庭と言われて久しかったのですが、その南米は今や反米の一大勢力になっている…という本。

この本読むとアメリカがあまりにも…で、読んでいる間は胸くそが(おっと失礼☆)悪くなり、読後は反米になります。ふふ。
9月11日、というとアメリカ人、そして大半の日本人もアメリカ同時多発テロを思い出すと思うのですが、実はチリ人にとって1973年のその日は、民主主義の選挙で生まれた政権がアメリカにつぶされた日なのです。
軍部のクーデターがあったのだけど、じつは裏でCIAが糸を引いていたそうで。
だから、アメリカがテロだテロだとぎゃんぎゃん騒いでいるのを彼らは相当冷ややかな目で見ていたんですね。
アメリカの掲げる「自由と民主主義」はアメリカ人に対してのみで、他の国に関して言えば、民主的な選挙で選ばれた大統領が気に入らないと力でつぶそうとするわ、アメリカに都合の良い政府であれば国民を虐殺する軍部の独裁政権であっても支援するわ、なんでもやりほうだ~いだったりする。
地元では高山病を癒す薬でもあるコカ茶の原料・コカを、アメリカに入ってくるコカインを絶つためだとかいってヘリコプターでコカ畑に枯れ葉剤を散布したり、文化も踏みにじっております。
ちなみにコカは化学精製しないかぎり麻薬にはならないんだとか。

著者はアメリカの戦法として「リメンバー方式」を挙げています。
アメリカは「常に相手に先制攻撃させ、あるいは相手が先に卑劣な軍事行動をとったと宣伝し、正義の名において宣戦布告してきた」んだとか。
たとえば、ちょっと前のイラクもそうだし、日本の真珠湾攻撃もそう。
さらには、ベトナム戦争や、キューバをめぐるスペインとの戦争でもその手をつかったらしい。

そして、アメリカの領土拡張の話。
もともと東部の13州しかなかったアメリカ合衆国がなぜこんなに巨大な大陸国家になったかというと、先住民やもとの宗主国から奪ったり、格安で買ったりしたからなんですね。
で、このときのメキシコの話が、泣ける。
今のテキサスはもともとメキシコ領で不毛の土地だったんだけど、そこにアメリカ人が移民として入ってきて綿花を栽培しはじめたんだとか。
メキシコ政府は寛容に彼らを受け入れ、待遇もよくしてあげたのに、しっぺがえしをくらうことに。
なんと入植したアメリカ人は、多数派は自分たちだと言って「テキサス共和国」として独立戦争を起こすのです。で、アメリカがこれに肩入れ。
結局、メキシコはテキサスだけでなくカリフォルニアなど広大な領土を手放すことに…しくしく。親切にしてあげたのにぃ!
というわけでアメリカの領土ぶんどり方法はこれ。
まず、欲しい土地にアメリカ人を大量に入植させ、数が増えるとその地域で勝手に独立を宣言して、ついにはアメリカの領土に組み入れてしまう
なんて恐ろしいんだ!病原体のよう。
日本も、やばかったんだよ。沖縄と小笠原が。

他にも、独立を支援するふりをしてアメリカの傀儡政権をつくっちゃうとか、正義の味方のはずのアメリカが「米軍アメリカ学校」なる場所で中南米の軍人に拷問や暗殺の方法を教えていて、悪名高い卒業生を送り出しているとか。
ムカムカすること限りなし。
だいたいアメリカの大統領って軍人出身が多いし、なんだかんだ綺麗事いって結局武力頼みかよ!ってことが多いよな。
特に前大統領はひどかったよ。
この本には、結構有名な大統領たちがブラックな一面(一面というかもともと歴史の教科書程度の知識しかないけど)を覗かせていて、、、お前もかっ!って思ってしまう。
オバマ…がんばれ。クリーンでいてちょうだい。

第二次世界大戦の時の日本を考えれば人のことを言えた義理ではないんだけど、少なくとも戦争を推進したといわれた人たちはアメリカによって裁かれたし(そして一部の「戦犯」はその後政治的な理由により重要ポストに戻ったけど、これもアメリカの都合)、戦争なんてぜったいだめって刷り込まれて闘争本能も薄いし、中国とか韓国とかに対して頭低くしているしかない現状。
対して、アメリカはいまだに自分が世界の警察で、正義の味方だと思っているところが…なぁ。

日本はどっちかといえば自衛隊なんて廃止してしまえばいいと思っていたのですが、南米の実情を知るにつれ、アメリカ任せの国防なんてやばすぎるーと思いました。
アメリカが南米で使った手を、いつ日本につかってくるかわかったものではないよ。
江戸時代のペリー来航の時だって、アメリカがたまたまそれほど手荒に出なかっただけで実は大ピンチだったのだし。
国連とか、国際組織がちゃんと機能している現代で、まさかそんな心配をしなければいけないなんて思わなかったけど、実際内政干渉ガンガンされている国がこんなにもあるんだから…ひとごとでないかも。
いつになったら軍隊なしで平和になるんだよー!
まずアメリカが、すべての武器を捨てて欲しいね!

この本を読めば、アメリカ人に「リメンバーパールハーバー!」と喧嘩を売られても(そんなシチュエーションがあるかはともかく…)、冷笑することができます。はい。

文字ばっかりになっちゃったけど、もりだくさんの本なので買って読んでもそんはないと思います。

*データ*
著者:伊藤千尋
出版社:集英社(集英社新書)
ISBN:978-4087204209
定価:735円(税込)

きーろいレモン牛乳

2008年12月04日 23時50分18秒 | Food
念願の、レモン牛乳入手!

レモン牛乳とは、栃木でしか売っていないということで、ご当地ネタとしてテレビでも何回かとりあげられたしろもの。
曰く、「中高生が部活帰りによく飲んでいる」そうで…。
正式な商品名は「関東・栃木 レモン」。

これが、うわさのブツです。



きーろいです。
まっきいろ。
黄色の正体は、もちろんレモン!なはずがなく、黄色○号です。ようするに、着色料。
そして、むかじゅーです。無果汁。
無果汁なのは、まぁ、当然な気もしなくもないのですが、すごいのはそれらしい酸味をつけようとかそういう努力をまったくしていないところ。
…どこが、レモン??みたいな…。
メロンがはいっていなくてもメロンパン!と同じノリなのかなぁ。。。

さて、お味ですが。
よくある「いちご牛乳」よりはものたりない味。
妹は「バター飴みたいな味がする」と言っていましたが、個人的には「コーンフロスティを食べ終わった後の牛乳の味」がするとおもいます。
ようするに、砂糖 in 牛乳、です。
おうちで作れます。

べつにおいしいわけではないけど、なんかおもしろかった。
駄菓子的な世界。
お風呂上がりには結構おいしく飲める。
「栃木の中高生が飲んでいる」わりには、レアアイテムみたいなのですが。
日光に行ったときに探しても見つからず(てか観光地だからかコンビニ自体がなかった…)、断念。
親が車で出かけたときに頼んだのですが、栃木県内で何件かまわって、とあるコンビニ1カ所でしか見かけなかったらしい。
ほんとに栃木ではメジャーなの???!!