らぷんつぇる**

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『玄牝(げんぴん)』

2011年01月08日 18時01分43秒 | Movies

今年もよろしくお願いします。

さて、1/2に今年初映画観に行きました!
ずっと観たかった映画で、『玄牝』。
神戸ではまだやってないんですよね。
あちこちの小さい映画館で、順々に公開されているみたい。

*あらすじ*
愛知県・岡崎市にある産婦人科、吉村医院。
木々がこんもりと生い茂る森の中にあるこの産科医院には、「自然に子を産みたい」と願う妊婦たちが、全国からやって来る。

季節がめぐるように、命はめぐる。
様々なひとたちの思い、答えなき問いに答えるように、やがてまた新しい命が生まれる―――
(オフィシャルHPから一部抜粋)


新聞とかのメディアで、「自然分娩に臨む妊婦さんたちのドキュメンタリー」として紹介されていたので、気になっていました。
臨月の妊婦さんが薪割りしてるなんてびっくりですよ。

映画見始めてしばらくすると、妊婦さんたちが吉村先生と輪になって語り合う「座学」のシーンが出てきます。
そこで展開される「現代のお産は不自然だ!自然分娩最高!」みたいな空気にちょっと異様なものを感じてしまいました。
…これって宗教かっ?!と思わせられるくらい、吉村先生にも妊婦さんたちにも強い信念があって…。
映画見る前は「自然分娩っていいな!」と思っていたのですが、この映画を観てちょっと躊躇してしまいました。
もともと自然分娩を望んでいたのに、結局帝王切開で出産した女性が、涙目で無念さをかたっているのをみて、いや、そりゃちょっと違うだろう!と。

後のほうで、医院の助産師さんたちの心境とか吉村先生の葛藤が描かれていて、ちょっとほっとした。
ある助産師さんの妹は、お姉さんがここで働いているけど、吉村医院での出産はやめたらしい。
一度座学に参加して、「このなかに私は入れないな~」と思ったんだそうだ。
やっぱり、私が映画を観ながら感じた違和感、感じる人少なくないんですね。

ここに出てくる妊婦さんたちはいい意味でも悪い意味でもぎらぎらしてると思う。「きらきら」なんてかわいらしいものじゃなくて。
「妊婦でいる私ってすてき!って思うようになった」って言ってましたもん。
そんなシーン観てると、欲しいのに子どもができないひととか、いろんな事情により妊娠・出産に行き着かないひと(現代では少なくないですよね)にはたまらないと思う。
そんなにぎらぎらしなくても妊婦さんって幸せそうですてきにみえるのに…自然分娩教おそるべし。

予想していた感想とは違った感想を抱いてしまったけど、それだけに観てよかったなと思います。
少子高齢化社会になってしまうのはまずいってみんな思っているのにも関わらず、産婦人科・産婦人科医がどんどん減っていて、お産が大変な世の中で、こういう医院が存在する、ってこと自体に意味があるんだろうな。



*データ*
監督:河瀬直美
出演:吉村正 ほか
初公開年月:2010年11月
制作国:日本
公式HP:玄牝(げんぴん)オフィシャルサイト