*あらすじ*
アボリジニーと白人の混血であるモリーと妹のデイジー、そして従姉妹のグレイシーはアボリジニーの母と一緒に暮らしていた。
しかし当時の「混血児は保護し、白人社会に適応させなければならない」という隔離同化政策によって3人は母から引き離され、施設に送られてしまう。
施設では彼らを労働者や家政婦として使えるようにするための教育がなされていた。
3人は母に会いたい一心で施設を抜け出し、はるか2400km先の故郷を目指すのだった…。
母親から引き離されるシーンを見て、
北○鮮を連想してしまうのは私だけじゃないはず…。
だってやってること同じだもん。
強制的に親から引き離して、自分たちの思想を吹き込み、都合良く使える人間を作るってとこが。
こういう非人道的なことに敬虔なキリスト教徒(シスター)が手を貸しているのには本当にぞっとする。
彼らにとってはキリスト教徒じゃない人間は、人間ですらないんだろうなと思ってしまう。
奴隷制度の時も、野蛮な風習から解放され教会に通えるのだから黒人たちは幸せだ、って立場をとっていたみたいだし。
むりやり宗教を押しつけられるのって見てるだけでも我慢できない!
あと、この映画を見たらきっと誰もが思うこと…。
…裸足じゃないじゃん。
3人は歩いて故郷を目指すのですが、最初から最後まで靴を履いてます。
むしろ、「保護」される前が裸足。
なんでこんなタイトルなのかなー、イメージ??
ちなみに原題は「Rabbit-proof fence」(ウサギよけフェンス)。
これは3人がウサギよけフェンスをたどって歩くことからなんだけど、これも今ひとつ。
もうちょっといいタイトルつけようよー、名前は大事だよー?
映画に登場する白人にいらいらしつつも(結構感情移入してる)、モリーの凛々しさとオーストラリアの広大な風景は圧巻でした。
モリーはすごく強い目をしていて、うっとり。
これ、実話で、モリーやデイジー、グレイシーは実在の人物。
こういう政策がとられた世代は「空白の世代」と呼ばれて、今もアイデンティティの喪失に苦しんでいるそう。
もう、モリーとかデイジーとかいう名前からしてアボリジニーの名前じゃないだろうし。
アボリジニーの現状には詳しくないけど、知れば知るほど胸が苦しくなりそうだー。
*データ*
監督:フィリップ・ノイス
出演:エヴァーリン・サンピ(モリー)、ローラ・モナガン(グレイシー)、ティアナ・サンズベリー(デイジー)
初公開年月:2003年2月
上映時間:94分
制作国:オーストラリア
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裸足の1500マイル