らぷんつぇる**

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『ジェノサイド』

2011年12月30日 15時54分37秒 | Books
ついに話題の本を読みました~。
社内ブログにまで紹介されてた。

*あらすじ*
創薬化学の研究室で有機合成を学ぶ大学院生・古賀研人は、急逝したウイルス学者の父親から不可解なメールを受け取る。どうやら父親は秘密裏に、ある病気の特効薬を作ろうとしていたらしかった。残されたのは私設の実験室と、謎の創薬ソフト、そして立ち上がらないノートパソコン。しかし、その直後研人の前に謎の女性が現れ、さらには警察にも追われるはめに…。
同じ頃、傭兵のジョナサン・イエーガーは、詳しい内容も知らされないまま、高額の報酬に惹かれて、暗殺任務とおぼしき仕事を請け負い、コンゴのジャングルに潜入していた。彼は難病の息子の治療費のため傭兵になったのだが、その息子にはすでに末期症状が現れ、余命はあと1ヶ月と見込まれていた…。
実は彼ら二人は人類の存続をかけた大事件にまきこまれつつあったのだったー


かなりスケールがでっかいです、この話。
まぁあらすじ見ただけでもそんな感じしますけど。
エンタメ小説、というより、なんだかハリウッド映画をみているみたい。
重要な背景となる創薬の過程や、軍事関係はかなり細かく調べていて、政治情勢や世界史なんかも造詣が深そうな感じ。
そして、それなのに、「A.I.」のラスト(もしくは「サイン」?見てないけど…)みたいな(いや、ちょっと違うけど。。)「っへぇ、そっち方向行くのか?!!!」っていう展開が、そう、もうアメリカ映画。
しかも、「内容は決してみてない人に喋らないでください」という感じでもなく、この「っへえ!!」がすでにプロローグからチラ見えしてます。
まあでも諸処にちりばめられた(というにはでかすぎる)複線をうまくひとつにまとめあげているところはスゴイと思います。
どんなふうに収束していくのか気になって、一気に読んでしまいました(長編だから時間的にけっこうきつかった)。

作中でも研人自身のつっこみが何回も出てくるように、確かに「そんなに簡単に薬ができるかっ」ってところはあるけど、でも研究やってるひとやこれから研究やりたいひとが読んだら面白く読めると思います。へたに製薬会社のHP読むより、創薬の過程とかわかりやすくて、くすり作りのざっくりしたイメージ持ちやすいんじゃないかなーと思いました。

同じ作者の『13階段』も読んだけど、だーいぶイメージが違う~。

お正月休みに読むにはもってこいだと思うので、脳内冒険したい人はどうぞ♪

*データ*
著者:高野和明
出版社:角川書店
初版発行:2011年3月
定価:1800円(税抜、ハードカバー)