らぷんつぇる**

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流れる庭ーあるいは方舟ー

2008年07月06日 22時55分01秒 | Theater
久しぶりに舞台を見に行きました。
劇団一跡二跳のファイナル公演。
「水と油」といい、結構好きなグループが活動休止してしまうのは残念な感じ。
この劇団は社会問題を織り込んだ作品をよくやっていて、見応えがあるのです。
今回のテーマは「災害」。
その災害は、天災なのか、それとも人災なのか…。

*あらすじ*(チラシより)
舞台は、ある地方都市の記者クラブ。
市の中心を流れる大きな川が集中豪雨で氾濫。
街は一気に水浸し、記者クラブも水浸し。
それでも水はとどまるところを知らず、あれよあれよと水量を増しながら至る所に押しよせ、道路は分断され、ライフラインが断たれ、ついには記者クラブも陸の孤島状態になって、それでも水の勢いは衰えず、ヤバい、ヤバい、このままじゃ何か、とてつもなく危険、さぁ、どうする?脱出?誰が?どうやって?つーか、なんで俺ら、こんな目に遭ってんの?ここ、地方とはいえ日本でしょ?日本って先進国じゃねーの?なんでライフライン、こんなにすぐにダメになっちゃうの?なんで自衛隊、助けに来てくれないの?つーか、水、マジでヤバいんだけど。


やっぱり今回もいろいろ考えさせられることがありましたねー。
災害は自分が関係ないところで起これば、他人ごと、他人ごとから人は何も学ばない。
誰かが死なないとニュースにならない、全員無事救助では体制を改善しようという動きが起こらない…。
日本は地震大国だし、台風も毎年来ているから水害だって少なくないし、海に囲まれているから津波の危険だって多いし、山では崖崩れだって起こるし、それなのに対策たるやあってないようなものですよね。
国や自治体レベルの対策も全然不十分だけど、それより問題なのは個人の意識。
だって、関東圏では近い将来大地震が起きるって言われているのに、対策立ててる人ってどれだけいます?
家具が倒れないように突っ張り棒を入れたり、食料や水やラジオを用意しておくとか、緊急時に家族がばらばらになった場合の集合場所を話し合っておいたりとか、ちょっとでもやっておけば多少マシなのに。
こないだの宮城の地震もかなりの被害が出て悲惨な状況がメディアで伝えられているにも関わらず、それが何のきっかけにもならないなんて。
みんな、自分のとこは大丈夫、何か起きても国が何とかしてくれるはず、って思ってしまうんだろうなぁ。
でも、災害が起きたときのパニック状態(これが一番怖い)は、やっぱり人災だと思う…。。
これだけ言いながらも、何もしていないウチ。
かんぱん賞味期限切れてるし。

さて、この劇団の公演は、毎回舞台美術もなかなか凝っているのですが、今回もすごいところから水が噴き出してきました!
舞台はびしょびしょです…。
ファイナル公演ということで、公演後にトークセッションがあったのですが、今回は舞台美術家の磯田ヒロシさんと演出の古城十忍さんのセッションでした。
どんな風に舞台を作り上げていくか、今回の作品や過去の作品についていろいろお話があり、面白かったです。
観てない舞台を観たくなりました。
今回の「水」も様々な意見交換や試行錯誤の末に決まった演出らしく、ボツになった案の中には「舞台と客席との間に透明なビニールシートを張り、舞台から客席側のビニールシートに向かって水をビシャビシャかける」とか「いっそ客席の床水浸しにしちゃおうか」なんてのもあったそう。

今回で最後なのは残念ですが…13日までやっていますので興味のある方は是非。
公式ページはこちら→Isseki Nicho Home Page

*information*
劇団一跡二跳「流れる庭ーあるいは方舟ー」
作・演出:古城十忍
料金:4000円、学生2500円(全席指定)
公演期間:2008年7月3日~14日
場所:THEATER TOPS(新宿駅東口より徒歩6分)