今年はいろいろばたばたしててゆっくり本を読む時間があまりとれなかったような。
でも結構よい本に会えたと思う。
というわけで、私が今年読んだ本の中からベスト5を。
本当はこういうのって2006年に出版された本の中から選ぶんだろうけど、新刊はあまり読まないので…![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_shock1.gif)
今年読んだ本は79冊でした。
1.『人間の土地』サン=テグジュペリ 堀口大學 訳
今年のダントツ1位はなんといってもこの本。文章の美しさに圧倒されました。砂漠の厳しい自然の描写や、人間の尊厳を見つめる作者の視線から「人間として生きる」ことの意味を考え直すきっかけをもらえる。『星の王子様』の原点はここにあります。
2.『泥流地帯』三浦綾子
ちょっと前にレビューを書いたけど、よかったです。ひたすら貧困や厳しい環境との戦いが描かれているのでちょっと暗いのだけど、どんな金持ちにも負けない「誇り」を持って生きる人たちの姿に心を打たれる。自分に喝をいれなきゃいけない気持ちになります。ほんとに。
3.『下駄の上の卵』井上ひさし
昭和21年、戦後の混乱期の日本を描いた作品。出てくる人たちが誰も彼も逞しく、そして頭が回るので面白い。この時代の背景が細かく描かれているのもとても興味深いし。話の流れもテンポがあって、ぐいぐい読み進められると思う。山形の子どもたちが当時入手困難だった軟式野球ボールを手に入れるために闇米を抱えて東京に来る物語で、東京の人にうっかりだまされてお金を盗られたり、一文無しになったと思ったら持ち前の運の良さで大金を手にしたり、無事にボールを持って帰れるのか最後までわからないところがうまい。会話文の山形弁が最高。本当に話し声が聞こえてきそう。一押しです。
4.『デミアン』へルマン・ヘッセ 高橋健二 訳
読んだのは2回目。1回目に読んだときも良い本だなと思ったけど、今回の方がそう感じたかも。本って読む時期によっても感じ方が変わるものなんですよねえ。この本も文章が綺麗。デミアンが大人びていてすてきです。一番好きなのはやっぱり「アプラクサス」のくだりかなあ。印象に残る文章です。
5.『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年』塩野七生
イタリアの歴史小説を数多く書いている塩野七生さんの本、初めて読みました。普段あまり読まないジャンルだけど楽しめました。ヴェネツィアのシステムはすごいです。頭良い。金持ちでもいばりくさっているだけじゃなくて平民以上に働いていたり、公務員の汚職は死刑!とか、世界初のパック旅行(聖地巡礼)の誕生とか、当時のヴェネツィアを旅してきたのかと思うくらいの描写で、こっちまで昔のヴェネツィアを覗いているみたい。どんどんヴェネツィアに感情移入してしまって、ヴェネツィアがナポレオンに滅ぼされてしまった章は脱力してしまった。なにしろヴェネツィアの誕生から描かれているのだから、人の一代記を見ているみたいなものです。それも、器用で頭も良く美しい主人公だから感慨もひとしお。ヴェネツィア行きたい…。
こんな感じですかね。
どれもちょっと昔の本だったりするけど。
来年もいい本に出会えるといいな。
参考までに
2005年
1.コレリ大尉のマンドリン
2.下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん
3.ホテル カクタス
4.ちいさなちいさな王様
5.はじめてのえころじい
2004年
1.24人のビリー・ミリガン
2.海辺のカフカ
3.坊っちゃん
4.イリアス
5.カラフル Colorful
それではみなさま良いお年を~
でも結構よい本に会えたと思う。
というわけで、私が今年読んだ本の中からベスト5を。
本当はこういうのって2006年に出版された本の中から選ぶんだろうけど、新刊はあまり読まないので…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_shock1.gif)
今年読んだ本は79冊でした。
1.『人間の土地』サン=テグジュペリ 堀口大學 訳
今年のダントツ1位はなんといってもこの本。文章の美しさに圧倒されました。砂漠の厳しい自然の描写や、人間の尊厳を見つめる作者の視線から「人間として生きる」ことの意味を考え直すきっかけをもらえる。『星の王子様』の原点はここにあります。
2.『泥流地帯』三浦綾子
ちょっと前にレビューを書いたけど、よかったです。ひたすら貧困や厳しい環境との戦いが描かれているのでちょっと暗いのだけど、どんな金持ちにも負けない「誇り」を持って生きる人たちの姿に心を打たれる。自分に喝をいれなきゃいけない気持ちになります。ほんとに。
3.『下駄の上の卵』井上ひさし
昭和21年、戦後の混乱期の日本を描いた作品。出てくる人たちが誰も彼も逞しく、そして頭が回るので面白い。この時代の背景が細かく描かれているのもとても興味深いし。話の流れもテンポがあって、ぐいぐい読み進められると思う。山形の子どもたちが当時入手困難だった軟式野球ボールを手に入れるために闇米を抱えて東京に来る物語で、東京の人にうっかりだまされてお金を盗られたり、一文無しになったと思ったら持ち前の運の良さで大金を手にしたり、無事にボールを持って帰れるのか最後までわからないところがうまい。会話文の山形弁が最高。本当に話し声が聞こえてきそう。一押しです。
4.『デミアン』へルマン・ヘッセ 高橋健二 訳
読んだのは2回目。1回目に読んだときも良い本だなと思ったけど、今回の方がそう感じたかも。本って読む時期によっても感じ方が変わるものなんですよねえ。この本も文章が綺麗。デミアンが大人びていてすてきです。一番好きなのはやっぱり「アプラクサス」のくだりかなあ。印象に残る文章です。
5.『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年』塩野七生
イタリアの歴史小説を数多く書いている塩野七生さんの本、初めて読みました。普段あまり読まないジャンルだけど楽しめました。ヴェネツィアのシステムはすごいです。頭良い。金持ちでもいばりくさっているだけじゃなくて平民以上に働いていたり、公務員の汚職は死刑!とか、世界初のパック旅行(聖地巡礼)の誕生とか、当時のヴェネツィアを旅してきたのかと思うくらいの描写で、こっちまで昔のヴェネツィアを覗いているみたい。どんどんヴェネツィアに感情移入してしまって、ヴェネツィアがナポレオンに滅ぼされてしまった章は脱力してしまった。なにしろヴェネツィアの誕生から描かれているのだから、人の一代記を見ているみたいなものです。それも、器用で頭も良く美しい主人公だから感慨もひとしお。ヴェネツィア行きたい…。
こんな感じですかね。
どれもちょっと昔の本だったりするけど。
来年もいい本に出会えるといいな。
参考までに
2005年
1.コレリ大尉のマンドリン
2.下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん
3.ホテル カクタス
4.ちいさなちいさな王様
5.はじめてのえころじい
2004年
1.24人のビリー・ミリガン
2.海辺のカフカ
3.坊っちゃん
4.イリアス
5.カラフル Colorful
それではみなさま良いお年を~
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_s.gif)