らぷんつぇる**

日々のささいな出来事をつづったり
本や映画や食べ物の感想を載せてみたり
ひとりごとを言ってみたり。など。

『森に眠る魚』

2012年02月26日 14時53分02秒 | Books
角田光代の本です。
これまでの角田光代にはないドロドロぐあいで、びっくりしました。
ジャンルはホラーですな・・・。

*あらすじ*
同じ幼稚園にこどもを通わせることになった高原千花、久野容子、小林瞳
千花は比較的裕福でしっかり自分の考えを持っているタイプ、容子はわりとおとなしく地味なタイプ、瞳は昔不登校を経験しているものの中庸なタイプ。
さらに瞳が産婦人科で知り合った、若くサバサバした繁田繭子も含め、ママ友として親しくつきあうようになる。
仲良く出かけたり楽しく過ごしていた時もつかの間、小学校受験のシーズンが近づいてくる。
はじめはまったく気にかけていなかった小学校受験や幼児教室が、だんだんと気になってきた千花、容子、瞳。
飛び交う情報に翻弄され、いつしか相手の裏を読もうとし始め、やがて3人は険悪な雰囲気に…。


いやいや、ママ友怖いよ~!!
今の幼稚園って、お受験って、こんな感じなのかな?!
だんだん生活がすさんでいく繭子も怖いし。
そしてママが怖いのと対照的に、その夫たちの存在感のなさといったら。脇役ですらない。
温かいホームドラマなどここにはないのです・・・。
ドラマ「名前をなくした女神」と同じ空気。(原作ではないみたいだけど。)
誰も幸せにならないってすごいですね。
主人公のママたちにしても、そのこどもたちにしても、人生まだまだ長いのに。

この話、明らかに1999年の音羽幼女殺人事件を下敷きにしてます。
最後の方に、事件現場になった幼稚園前の駐車場と公衆トイレがモチーフとして出てきて、、個人的にこの場所よく知ってるのでリアルに想像してしまって怖かった。
事件そのものを物語にしているわけではないので、ほんとうに断片的にしか差し込まれないんだけど、出てくるお母さんが加害者・被害者に似てる設定だったりする。

こども持つ前のひとがこんな本読んだらこどもを持つのが怖くなりそう。
こんなにドロドロしてることもそんなにないと思うんだけどな??

角田光代の本は、『八日目の蝉』にしても、女性ならではの苦悩にとらわれても最終的には女性ならではの見方で未来への光が見えたりするんだけど、ここまで救いのない話をなんで書いたのか…。
「女性ならでは」ってとこに収束するのかもしれませんが。
人間にとって一番怖いのはやっぱり人間なのかもね。

*データ*
著者:角田光代
出版社:双葉社
定価:1500円(ハードカバー、税別)
ISBN:978-4-575-23649-1

喫茶「マウンテン」で甘口いちごスパを食す。

2012年02月19日 15時59分14秒 | きょうのできごと
念願かなって行って参りました。
喫茶「マウンテン」。



なかなか勢いのある巨大看板。

店内は予想していたより広い気が。
このときはそんなに混んでいなかったけど、待合いスペースがあったので並ぶときもあるのでせう。

メニューはかなり豊富。
甘口スパシリーズをはじめ、ちょっとげてもの系、名前が意味不明系もいろいろあるけど、思いの外ふつーそうなメニューも多数。
甘口小倉抹茶スパかメロンスパにしようかと思っていたけど、この時期限定で甘口いちごスパがあるとのこと。
じゃあそれにするー。

そして、運ばれてきたのがこれです↓


うむぅ…予想以上にピンク。。。
そしてほかほかの状態で運ばれてくる。
人工的ないちごのかほり、そして生クリームのあまい匂い。

ひとくち食べると。。。激甘!!
何で味付けしているのかまったく不可解。
ポッキーのつぶつぶいちごに入ってるみたいな謎のつぶつぶもいるし。。。
ちなみにピンクのソース(汁気はまったくない)、ただひたすらに甘いだけでいちごの味はしません。。。
スパゲティも、異様に太い気が。
アルデンテ、通り過ぎてるよね。。
具があるのはありがたいです、いちごとキウイが。
抹茶スパにしてたらこんな甘ずっぱい具がなさそうだし、さらにハードル高そう。
食べ進んでいったら下に麺と一緒に炒められたらしいいちごが出てきた。
炒められているのはまあいいとして、へたがつきっぱなし。。。うまくとれない!



ここまで食べ進めた時点で、これは食べきれないかも…と危機を感じ始める。
と、いうことでコーヒー投入。


コーヒー、お菓子付き。

コーヒーカップが分厚くてなんだか飲みにくいのはわざとなのか??

が、、、せっかくのコーヒーもむなしく、これだけ残して遭難(ギブアップ)。
7割強くらいは食べたかな??



あんまりおなかがすききってないときに行ったのも敗因なんですけどね(負け惜しみ)。。
ちなみに、まわりを見ると他の5組くらいも甘口いちごスパ頼んでました!
ふたり以上で分け合えばどうにか完食可能、3人以上なら余裕、と思われます。
(ふたりだったけど連れがふたくちしか食べてくれなかったもので。。。)

基本的に学生ばっかりの中に、学会帰りのすーつだったから結構浮いてた。
が、後からひとりで入ってきたおじさんが甘口いちごスパともう一品鍋に入ったスパを頼んでいて、少なくともいちごスパはほぼ完食の勢いだったのでびっくり

みなさま名古屋に行った際には是非マウンテン登頂を!!







『こちらあみ子』

2012年02月05日 10時45分26秒 | Books


*あらすじ*
一風変わった女の子、あみ子。
家族はお父さん、お母さん、そしてお兄ちゃん。
母が開いていた書道教室に通ってきていた「のり君」が大好き。
無邪気なあみ子の行動や発言は、家族も、のり君も巻き込んで、大きな変化のきっかけをつくってしまう。。。


2010年太宰治賞受賞作。

あみ子は痛々しいほどに無邪気で、裏表がなく、まわりとはちょっと違う自分の世界を持っている。
周囲の人が傷ついたり、悩んだりしている中で、相手の気持ちを汲み取ることができずにまったくの善意からつっぱしり、結局相手をよけいに傷つけてしまう。
最初の方は「ちびまる子ちゃん」がイメージとして浮かんできたけど、読み進めるにつれてあみ子の激しさに「ひ~~!それをやっちゃいかんやろ~~」とびびってしまいました。
冒頭に登場するのはおとなになったあみ子で、前歯がない。
近所の女の子にその理由をきかれ、熱愛していた男の子にパンチされてどっかとんでった、と答える。
ストーリーとしてはそれがプロローグで、あみ子が大好きなのり君に殴られて歯を失うまでのいきさつが主軸になっている感じ。
のり君は品のいい好少年(?)として描かれているのに、歯を折るほどなぐるの??この子が??あみ子何した??と気になって、仕方なくなります。
そして、のり君がついにあみ子を殴るシーンまでいきついて、納得
そりゃ殴っても仕方ない!!と思えるほどのショックがのり君を襲うわけです。
あみ子の破壊力半端ないです。

普通に考えたら、あみ子は善意と熱意しか持っていないような子で、それが周りの人を不幸にするなんて話、まったくもって暗いのに、話があみ子の一人称で「ど~してかな~、なんかおこってる~~??」みたいな流れで進むので、ショックは受けつつもあんまり悲しくならない。
最後の方で出てくる、名前すら語られない坊主頭もちょっとした希望を与えてくれるし。

でも自分のまわりにあみ子いたら、、、大変だなぁ。。。

*データ*
著者:今村夏子
出版社:筑摩書房
定価:1400円(税別、ハードカバー)
ISBN: 978-4-480-80430-3