らぷんつぇる**

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『パプリカ』

2008年08月06日 19時35分25秒 | Books
やばいよー、もう一ヶ月も更新していない!
とりあえず本だけはやたらと読んでいるので、最近読み終わった本を紹介します。

岸本佐知子さんの『気になる部分』で紹介されていた筒井康隆氏の本。
『パプリカ』、ってたぶん有名。

*あらすじ*
精神医学研究所に勤める千葉敦子は美貌の天才サイコセラピスト。ノーベル賞受賞の可能性も噂される彼女のもうひとつの秘密の顔…それは他人の夢とシンクロして無意識界に侵入する夢探偵、コードネームはパプリカ。
しばらくの間「パプリカ」を封印していた敦子だったが、所長のたっての願により、彼の友人である要人を治療することに。
そんな折、同僚が最新型精神治療テクノロジー「DCミニ」を開発する。
研究所内での権力争いは「DCミニ」を巡ってさらにヒートアップし、敦子の身近な人のみならず敦子自身にも危険がせまり…。


これは、エンターテイメントとしては傑作の部類に入るのでは?
今まで筒井康隆は短編しか読んだことなかったけど。
タイトルも別に引きつけられるようなものはないし、裏表紙のあらすじ読んでもあまり面白そうとは思えないのだけど、なにしろ「DCミニ」が他人の人格の破壊すら可能なやばい機械なので、面白くならないはずがないのです。
深層心理下での戦いが現実の世界にまで入り乱れ、後半はかなりわけのわからない感じに。
もともとは無意識を反映していたはずの夢が、後々予知夢であったことが示唆されるシーンもあって、何もかもが混ざり合ってきます。

岸本さんのもう一つのおすすめ『母の発達』も読んだけど、これは『パプリカ』以上にカオス。
なんとなく好みが読めてきたかも…。

*データ*
著者:筒井康隆
出版社:新潮社
定価:700円(文庫)
ISBN:978-4101171408