らぷんつぇる**

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『十二人の怒れる男』

2006年10月25日 11時00分36秒 | Movies
古い映画なので、白黒です。
あんまりよく知らなかったけど、法廷劇映画の傑作らしい。

*あらすじ*
スラム街でとある少年が父親を殺害した。
判決の行方は12人の陪審員に委ねられる。
誰の目にも有罪と思えたが、たった一人8番目の陪審員だけが無罪を主張する。
評決は12人の全員一致が必要なため、話し合いで結論を出さなければならない。
蒸し暑い部屋、紛糾する議論、次々に浮上する疑問点、新しい証拠。
はじめは有罪を主張した男たちも一人また一人と無罪に転じ…。


むかし某高校の文化祭でこれをモチーフにした劇をみたことがある。
それを見てすごいなーと思った記憶が甦ってきた~。
ここに原点有り、です。
冒頭を除いて、舞台は狭い陪審員ルームだけ。
回想シーンとかもない。
そして真実がどうなのか、ほんとうに少年は父親を殺したのか、あるいは殺していないのか、はまったく語られません。
このへん、うまいなあ。

陪審員もそれぞれ個性的で面白い。
年齢や職業、おいたちもみんなばらばらで(ただしみんな男だけど)、それがその人の事件に対する見方をすごく左右している。

実際アメリカで行われている陪審員制度、詳しいことはわからないけど、この映画の初めの部分のように「早く終わらせようぜ」的な雰囲気の中で決定がなされていたら怖いなーと思う。
たまたま被告に不利な証拠しか出されなくて、疑いもなく有罪にされるのも怖いけど、
逆に被告に対する同情心だけで無罪、ってなる可能性もあるし。
きっと誰もが多かれ少なかれ偏見はあるだろうし…。
だって陪審員って「庶民の声」ではあるけど、素人だもんねえ。

法廷劇としても、人間の心理劇としてもまちがいなく傑作。
しかも英語もスラングが少なくてわかりやすく、勉強になるー。
おすすめです。

*データ*
監督:シドニー・ルメット
出演:ヘンリー・フォンダ、リー・J・コップ、エド・ベグリー
制作国:アメリカ
初公開年月:1959年8月
上映時間:95分